映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』~笑えること折り紙付き~

Johnny English Title

 やっぱ、コメディならローワン・アトキンソン。これを見てそう思いました。この人に勝る人を、私は未だに見たことがないです。素晴らしい。笑いの人間世界遺産です。

 

 

1.あらすじ

 イギリスの諜報機関MI7へのサイバー攻撃により、現役のスパイの情報が漏れてしまった。この状況を救うために呼び出されたのは、すでにスパイを引退していたジョニー・イングリッシュ。最新技術を駆使する敵に、ジョニー・イングリッシュはアナログな道具で立ち向かう! (2018年公開)

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 本作は、『ジョニー・イングリッシュ』(2003年)、『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』(2011年)に続くシリーズ3作目。主役は、どんなミッションも、不可能(インポッシブル)にするジョニー・イングリッシュ。

 

2.笑いの天才

 ジョニー・イングリッシュを演じるのは、Mr.ビーンことローワン・アトキンソン。今や、Mr.ビーンと言った方が分かりやすいかもしれません。でも、若い世代だともしかしたら知らないかもしれないので、一応ちゃんと紹介をしておきます。

 

 『Mr.ビーン』は1990年からイギリスで放送されていたコメディドラマ。後に、『ビーン』(1997年)、『Mr.ビーン カンヌで大迷惑⁈』(2007年)の2本の映画が公開されました。そのMr.ビーンを演じていたのが、ローワン・アトキンソン。Mr.ビーンは、とにかく変なおじさんで、その行動がいちいち面白い。言葉はあまり発せず、テディというクマのぬいぐるみが好きなのが特徴です。

 

 本作はローワン・アトキンソンというか、ビーンがスパイをやってみたwwwという感じです。ローワン・アトキンソンの何がすごいって、この人は何をしても面白いこと。それこそ、立っているだけでも面白いくらいです。顔芸に始まり、ドリフ的なドタバタネタは鉄板なのだけど、面白い。ローワン・アトキンソンの凄さが分かるのが、ダンスホールで踊っているシーン。ただ踊っているだけなのですが、これが面白い。本当に天才!

 

3.スパイ映画のパロディ

 スパイ映画のパロディは、これまでも『オースティン・パワーズ』シリーズや『ゲット・スマート』(2008年)、『SPY』(2015年)などいろいろあります。個人的には、こういう映画がすごい好きで、ほとんどはずれがないと思うんです。だから、笑える映画が見たかったらとりあえずスパイコメディって感じです。こういうのって、スパイ映画パロディの元ネタを知らなくても十分面白いんですが、自分は『007』も『ミッション:インポッシブル』もほぼすべて見ているので余計に楽しめるのかなと。

 

 スパイ映画のスタンダードといったら、やっぱり今でも007です。だから、本作にも007のパロディはふんだんに盛り込まれています。例えば、スパイガジェットの数々。今ならスマホを使えば多くの機能をこなせそうですが、スパイなので毒が出てくる万年筆を使います。車だって、最新のものの方が性能が良いに決まっていますが、スパイなのでクラシックカーに乗ります。しかも、ミサイルが発射できる車。

 

 そして、最大のパロディはオルガ・キュリレンコが出ていること。彼女を一躍有名にした作品がなんと『007 慰めの報酬』(2008年)。彼女はこの映画で、ボンドガールとして大活躍していました。そんな彼女が本作では、謎の女役で出演。出演シーンもかなり多く、たっぷり楽しませてくれます。

 

 ちなみに、ローワン・アトキンソン自身も過去に007の外伝『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』(1983年)に出演しています。外伝と呼ばれるのにはいろいろ大人の事情があるのですが、一応本当の007シリーズとは別物になります(初代007のショーン・コネリーが主役だけど)。このときのローワン・アトキンソンは、英国大使館の職員の役なのですが、すでにビーン節が出ています。

 

4.まとめ

 本作は、別に学びも感動もなく、ただ笑える作品です。その笑いも日本の漫才とかとは違って、ただ顔芸とか言動がおかしいとかそういうだけのもの。でもね、面白いんですよ。頭を空っぽにして、楽しんでいただきたい一本です。

 

これもスパイコメディ↓presbr.hatenablog.com

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