映画の並木道

古今の映画について紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記します。とはいえ、まったくストーリを明かさないと映画の話も何もできないので、軽微なネタバレはお許しを。

映画『インド・オブ・ザ・デッド』~よく出来たゾンビコメディ~

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 ときには、ゾンビものが見たくなる今日この頃。ゾンビ映画好きというわけではないですが、たまにはこういった感じのも良いかなと自分は思います。ということで、『インド・オブ・ザ・デッド』(2015年)です。題名の通り、これはインド映画です。これを見て、私は「ついにインドは面白いB級映画まで作れるようになったか」と感動してしまいました。

 

 

1.あらすじ

 ハルディク、ラヴ、バニーの3人はリゾート都市のゴアにやってくる。離島で開催されるロシアンマフィア主催のパーティーに忍び込んだ彼らだったが、翌日になってパーティーの参加者がゾンビ化。美女のルナやロシアンマフィアのボリスとともに、島からの脱出を目指す。

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2.面白いB級

 展開は完全に典型的なゾンビ映画そのものですが、普通に面白いです。まず、ゾンビ要素としては、ちゃんとグロいので合格。たくさん襲い掛かってきたり、いきなり出てきたり。押さえるところは、ちゃんと押さえています。

 

 それ以上に良いのが、コメディとして面白いこと。インドのちょっとまぬけな3人組と言えば、『きっと、うまくいく』(2009年)が思い浮かびます。イメージとしてはそんな感じで、3人のやり取りが楽しくて良いです。「ゾンビだって、グローバル化だよ」って意味わからないですけど(笑)

 

3.踊らないインド映画

 本作は、踊らないインド映画です。最近は、踊らないインド映画も多いですが、本作もその一つです。ロシアンマフィアのパーティーのシーンなんかはいかにも踊り始めそうでしたが、特にダンスシーンはありませんでした。踊りを入れてくれたらそれはそれで面白かったかもしれませんが、まあ別にいいです。インド映画は踊りがすべてってわけではないですから。

 

 本作のインド要素の一つが、音楽です。ときどき入ってくる音楽がインドのものなので、これがゾンビと合わさると、新鮮に感じられます。普通、ゾンビ映画の音楽ってサスペンスフルなものかホラー調のものですが、インドの音楽はもっとゆったりしています。これが独特な雰囲気を出していてグッド。

 

 また、全体としてコメディなので、明るくて楽しいです。『きっと、うまくいく』(2009年)などを見たことがある方は分かると思いますが、インドのコメディって変なジョークとかが少ないから、日本人でも面白い(イギリスの皮肉調のユーモアとかは笑えなかったりしますが)。本作もその傾向をしっかり継いでいます。

 

4.皆ハッピー(ネタバレ)

 以下、ネタバレを含みます。この映画を見ていると、結局最後まで主人公サイドの人間が誰も死なないんですよね。あれだけ襲われていながら、一人も犠牲者を出さなかったのです。この点は、ゾンビ映画では異例ではないでしょうか。ま、コメディだから、許しますけど。

 

 あと、この映画にダンスシーンはないって言いましたけど、終盤でちょっとそれっぽいところがあります。ゾンビになった美女と、ハルディクがおいかけっこをするシーンですね。自分は、この2人のやりとりが一番面白かったです。そもそも「お前なら、ゾンビでも口説ける」という発想がおかしいし、なぜかそれを2回も繰り返しています(笑)

 

5.まとめ

 ということで、インドのゾンビ映画『インド・オブ・ザ・デッド』でした。普通に、ゾンビコメディとして面白いので、ゾンビ映画好きにはおすすめです。インド映画好きの方にも、インドはこんな映画も作れるんだぞというのを知ってほしいので、おすすめです。

 

 ハリウッドは、A級大作からB級の作品まで非常に様々な作品が作られています。インド映画がB級映画も作れるようになれば、もう怖いものなしです。すでに、A級レベルで面白い作品はたくさんありますから。という意味で、今後のインド映画界の発展を期待させる一本でもありました。

 

画像引用元

https://www.imdb.com/title/tt2436516/

映画『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』~あぶない夏の思い出~

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 今回は劇場公開されたばかりの新作『ホット・サマー・ナイツ』を紹介していきます。ミニシアター系なので、TOHOシネマズとかではやってないけど、ときには小さめの映画館で見るのも良いですよ。ちなみに、自分は横浜のシネマジャック/ベティで見てきました。いずれ、映画館もまとめて紹介しようかな。

 

 

1.あらすじ

 1991年、父を亡くして悲嘆に暮れる青年ダニエルは、夏の間、海辺の小さな町にやってくる。そこで、マリファナの売人として有名なハリーとつるむことになる一方、街一番の美女マッケイラと恋に落ちる。

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 主演のティモシー・シャラメは『君の名前で僕を呼んで』(2017年)以降、演技力が高く評価されています。繊細な思春期の青年という役柄が多いような気がします。そういった役柄をリアルに演じるのは、難しいものですが、この年齢の特権でもあります。

 

 マッケイラ役は、マイカ・モンロー。以前に『イット・フォローズ』の記事で取り上げたので、ここでは紹介を省きます。本作のマイカ・モンローは、そのしぐさがかなりエロいです。こんな美女がいたらヤバい。

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 製作会社がA24というところなのですが、最近注目されているので取り上げておきます。A24は、2012年設立という非常に新しい会社ではありますが、『ムーンライト』(2016年)、『レディ・バード』(2017年)など非常に良質な映画を作っています。映画を見るときに、製作会社を気にすることは少ないかもしれませんが、そういう視点で見てみると面白いこともあります。

 

2.アブない夏

 ダニエルは、この海辺の町でアブない夏を過ごすことになります。まずは、ハリーと一緒にマリファナを売り始めます。始めは、観光客を相手にし比較的小さな商売でした。しかし、さらなる利益を求めて、あぶない売人との仕事に手を出し始めます。

 

 その一方で、ダニエルはハリーの妹のマッケイラと恋に落ちます。しかし、ハリーはマッケイラとは疎遠状態にあるものの、妹を非常に大事に思っており、妹と付き合う人を痛めつけてやろうと思っています。また、妹も兄のハリーとつるんでいる人たちがあまり好きではないので、ダニエルはハリーとの関係を隠しています。よって、ダニエルはどちらにも嘘をついて、マッケイラと付き合っていくことになります。

 

 このアブなさがいかにも青春って感じで良いですね。ダニエルは、おそらく父を亡くした喪失感からか、こういったアブないことにどんどん突き進んでいきます。最初はちょっと冴えない感じもする青年だったけれど、徐々にワルの雰囲気も出てきて、積極的になります。そんなダニエルのひと夏で起こった変化が描かれています。

 

3.夏の思い出

 本作はそういった夏の思い出が詰まった作品です。少年のナレーションとか、音楽とかがそういった雰囲気をさらに醸し出しています。だから、色々考えるよりは、夏だなあというのを感じれば良いのかなと思います。実際にこんな夏だったら、とてもやっていられないと思いますが、それを楽しめるのがこの映画の魅力。

 

 舞台が1991年ということで、軽くレトロモダンな雰囲気が出ています。内容は関係ないけど、色使いとかが『ラ・ラ・ランド』(2016年)に似ている気がします。こういったちょっと古い感じだけど、かえってモダンな感じの雰囲気は最近の潮流なのかもしれません。このデザインは自分は結構好きです。

 

4.まとめ

 夏を感じるには最適な一本かなと思います。自分には絶対に起こりえないけど、なんとなく憧れてしまう夏。そんなものが凝縮されています。夏の最後にぜひ見に行ってみてください。

 

画像引用元

https://www.imdb.com/title/tt3416536/

映画『今日、キミに会えたら』~いつもすれ違い~

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 今回は『今日、キミに会えたら』(2011年)です。ストレートな恋愛ものでした。とりあえず、フェリシティ・ジョーンズがかわいいです。

 

 

1.あらすじ

 アメリカの大学生ジェイコブと、イギリスからの留学生アンナは恋に落ちる。しかし、アンナがビザが切れてもアメリカにいたため、不法滞在となりアメリカへの入国が禁止される。そのため、ジェイコブとアンナは遠距離恋愛をすることになる。

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2.キャスト

 ジェイコブ役はロシア出身のアントン・イェルチン。2009年からの『スター・トレック』シリーズで、お茶目なチェコフを演じていたのが印象的でした。しかし、2016年に自動車事故により、27歳という若さで死去。何とも、残念です。少なくとも、映画の中ではその活躍がいつまでも見られるので、その点だけは慰めになるかもしれません。

 

 アンナ役はフェリシティ・ジョーンズ。近年、注目の若手女優です。『博士と彼女のセオリー』(2014年)で、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた後、『インフェルノ』(2016年)、『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』などの大作に出演しています。

 

 本作を見てて一番感じたのは、フェリシティ・ジョーンズの顔がちっちゃ!ってこと。日本でも小顔のモデルさんとかいますけど、彼女がダントツで小さいと思います。『ローグ・ワン』は力強い感じの役だったので、あまり気づきませんでしたが、本作ではめちゃくちゃかわいいです。

 

 あとは、サマンサ役でジェニファー・ローレンスが出ています。ちょくちょく出てくる感じで、あまり出演シーンは多くないですが。

 

3.すれ違い(ネタバレ)

 正直、今回はストーリーについてあまり書くことがないです。最初は互いに好きあっていたけど、ちょっとしたすれ違いがあったりして、一旦は離れるものの最終的には一緒になるという。ほとんど定番ともいえます。

 

 特徴的なのは、二人は結婚したにも関わらず、一度完全に別々になる点でしょうか。それぞれに彼氏彼女をつくり、そっちの仲がかなり進んでいます。アンナの方に関しては、彼氏が結婚しようとまで言い出す始末です。でも、やっぱり相手のことが忘れられないから、元通りになります。元通りというか、2人の仲自体は以前のものとはまったく別物ですが。最初こそぎこちないけど、いずれはやっぱりこの形が良いよねとなるでしょう。たぶん。やや唐突に映画が終わってしまったので、想像でしかありませんが。

 

 2人がそれぞれ別の人と付き合ってみても、結局元の2人に戻ったので、2人は相性の良さを再確認できたのかな。それなら良いですね。若いときの勢いだけで共同生活を始めるのではなく、一回頭を冷やして考える良い期間になったのでしょう。

 

4.サンダンス映画祭

 この作品は、アメリカのサンダンス映画祭でグランプリを受賞しています。サンダンス映画祭とは、俳優・監督の大御所であるロバート・レッドフォードが主催しており、主にインデペンデント系(メジャースタジオ以外の作品、低予算映画のこと)の映画を対象としています。インデペンデント映画を対象とする映画祭の中では、サンダンス映画祭は世界最大のもののひとつです。

 

 過去にはデミアン・チャゼル監督の『セッション』(2014年)がグランプリを受賞しています。デミアン・チャゼルは、この後に『ラ・ラ・ランド』(2016年)を監督しています。デミアン・チャゼルはサンダンス映画祭のおかげで、有名になれたんですね。

 

 こういったインデペンデント映画を支援する機会があるのは、やっぱり重要なんだなと思わされます。こういったところで、才能が発掘されますから。まあ、発掘するのは配給会社の仕事なので、私たちはただ配給会社がおすすめするものを見ているだけでも十分ではありますが。

 

5.まとめ

 一応、これは『今日、キミに会えたら』の記事なのですが、後半はサンダンス映画祭の話しかしてないですね(・・;)。『今日、キミに会えたら』は、本当にストレートな切ない恋愛ものです。それ以上でも、それ以下でもないです。そういうものを期待していれば、その期待に十分応えてくれるでしょう。

 

画像引用元

https://www.imdb.com/title/tt1758692/

ドラマ『ウエストワールド』シーズン1~アンドロイドは意識を持ちうるか~

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 個人的に科学の話とか結構好きで、『ウエストワールド』なんかはどストライクに自分の好みなんですよね。自分が好きな『ブレードランナー』(1982年)に共通するところもあって、良かったです。なお、この記事にネタバレはありません。

 

 

1.あらすじ

 舞台は、アンドロイドがホストとなってゲストをもてなすテーマパーク「ウエストワールド」。ここでは、ゲストは暴力、セックス、殺人などやりたいことは何をやっても良い。ホストたちは完全に制御できていると思われていたが、次第に彼らの中に、自分たちが置かれている状況の違和感に気づくものが出てくる。

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『ウエストワールド』シーズン1 2016年 全10話 1話約60分

 

 マイケル・クライトンが監督・脚本を務めた映画『ウエストワールド』(1973年)をベースにしていますが、ストーリーは完全に独立しています。よって、映画版は見ていてもいなくても構いません。

 

2.入念な下準備

 あらすじだけ見ると、ロボットが人間に反乱を起こす話かと思うかもしれませんが、そんな単純な話ではありません。反乱を起こすのは、第8話あたりからなので、物語はかなりゆっくり進んでいきます。第5話あたりまでは、かなり地味な展開が続くので、ちょっとした辛抱が必要かもしれません。雰囲気としてもかなり重いので、もしかしたら前半は期待していたほどは楽しくないかもしれません。

 

 ただ、第7話あたりから急に面白くなってきます。ここから、それまでの入念な下準備を大いに利用して、登場人物たちが動き始めます。そう、前半は後半に向けての壮大な下準備になっています。前半では、ウエストワールドというテーマパークがどういうものかを紹介し、各登場人物がじっくり描かれます。だから、前半からしっかり見ておくと良いです。ここで、いまいちだからと言って脱落してしまうのはもったいない。

 

3.本作のテーマ

 本作は全体として、抽象的な会話も多くなっているのでテーマを理解していると、話がわかりやすくなると思います。本作の一貫したテーマというのが、「アンドロイドは意識を持つことが可能なのか」という点にあります。ここでいう「アンドロイド」というのは、具体的にはウエストワールドのホストたちのことですが、広くAIやロボットと捉えてもらって大丈夫です。

 

 皆さんはどうお思いでしょうか?AIが意識を持つなんて、ありえないと思っているでしょうか。それとも、近年の目覚ましいAI技術の発展を目の当たりにすると、あながちありえない話でもないとお思いかもしれません。個人的には、後者の立場で、いずれはAIが「自己」を持つのではないかと思っています。だって、人間だって所詮は有機化合物に過ぎないのですから、それが機械で再現できないという方がむしろ不自然かなと。まあ、ちょっと独特な意見かもしれませんが。

 

 『ウエストワールド』がこの問題に向かうとき、まずは「意識」とは何なのかという点に踏み込んでいきます。そもそも、人間は「意識」を持っているのか。あるいは、ただそう思い込んでいるだけなのか。そして、ウエストワールドのホストたちは意識を持っているのか?

 

 さらには、そもそも人間は自分の意思で行動しているのかという問題も出てきます。アンドロイドは基本的には、プログラムされた通りに動きますが、本人たちはそんなことは知りません。つまり、彼らは自分の意思で動いていると思って、実は命令された通りに動いています。ならば、人間はそうでないとどうして言うことができるでしょう。自分で決定していると思っても、実は他の何かがあなたの決定を左右しているのかもしれません。

 

 てな感じで、いろいろ考えていくときりがないです。こういったことを考えるのが好きだったら、このドラマを存分に楽しめると思います。自分は、『ブレードランナー』が好きなことからわかるかもしれませんが、こういった話は割と好き。今、AIの進化ってものすごく進んでいるから、現実にこういったテーマが現実に提起されうる状況なのかなとも思います。そう考えると、無関心ではいられない。

 

4.楽しい楽しいテーマパーク

 とはいえ、本作だって難しい話ばかりしているわけではありません。ちゃんと見せ場もあります。テーマパークのコンセプトが疑似西部劇なので、西部劇っぽいアクションシーンとかが結構出てきます。映像を見るだけだと、SFというよりは、むしろ西部劇の要素が強いです。映像は西部劇なのに、ストーリーはガチガチのSFというギャップは本作の魅力の一つです。

 

 ちなみにどうでもいいことを言うと、本作のヒロインであるホストのドロレスは、シーズンを通して一回しか着替えません。つまり、2種類の衣装しか見られないのです。それが、自分にはもはやネタのように見えて面白くなってきてしまいました(笑)。ここまで着替えないキャラクターって、あんまり見たことないです。

 

5.まとめ

 結局、どういう人におすすめしたいかというと、じっくりドラマを楽しみたい人。お世辞にも気軽に見れるものとは言えません。ドラマ『HAWAII FIVE-0』みたいに気軽に楽しむには向いていません(ちなみに、このドラマは私が思うに最もシンプルで、気楽なドラマ)。一話完結でもないですし、話もいくつも同時進行していて複雑です。

 

 でも、見ていくうちに、どんどん面白くなっていきます。後半に進むにつれて、驚きの展開もあったりするので、満足感は高いです。自分は今、シーズン2が見たくてたまらないです。未来の世界に突き進む前に、一度は見ておきたいドラマです。

 

画像引用元

https://www.rottentomatoes.com/tv/westworld/s01/

映画『アホリックス』~意外とイケる~

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 TSUTAYAで、こんな映画を見つけてしまった。くだらないのはわかっているんだけど、どうしても気になって見てしまいました。これは良いZ級映画ですよ。くだらないとわかっていれば、それなりに楽しめる映画なのかなと思います。

 

 

1.あらすじ

 パロディ映画なので、ストーリーなどあってないようなものです。一応書くとするなら、アホリックスという超人になれる薬をめぐって、ヌーヴォたちとエージェント・アマックたちが戦う話。ま、Z級映画にろくなストーリーを期待してはいけません。

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 ただ、本家の『マトリックス』シリーズにしても、2作目の『リローデッド』なんかはよくストーリーが分からないので別にいいのかなと。むしろ、ストーリーを最初から捨てている『アホリックス』の方がまし……ではないか。

 

2.ちゃんとパロディ

 この作品の良いところは、ちゃんとパロディをしてくれているところなんです。『トランスモーファー』(2007年)は、題名だけは『トランスフォーマー』っぽいけど、中身はパロディでもなんでもない。その点、くだらないけど、ちゃんとパロディをしている本作は面白い。

 

 例えば、衣装や役者。『マトリックス』の独特な衣装やサングラスをちゃんと用意しています。また、主人公の見た目がキアヌ・リーブスから意外と遠くなかったりして、画面は本家の雰囲気が出ています。トリニティも本作ではオカマだけど、まあ耐えてる。

 

 そして、驚きなのが本家の名シーンがきちんと出てくるところ。Z級だと、見るに堪えないCGが良く出てくるのですが、本作はあの名シーンがそっくりに再現されています。例えば、あのイナバウアーしているところとか、銃弾が目の前で止まるシーンなどです。これだけのクオリティで再現しているものって、意外とないので貴重。

 

3.元ネタをまとめてみる

 どれほどの需要があるかわかりませんが、元ネタを紹介していきます。あくまでも、自分が元ネタだと思ったシーンを言っているだけなので、間違っているかもしれません。他にもパロっているシーンはたくさんあると思いますが、それは自分で探してみてください。

 

マトリックス

・緑色の数字がたくさん出てくる

・取り調べ室でスミスがネオを尋問する

・高級そうな食事(今回は尋問室だけど、本当はレストラン)

・モーフィアスがネオに、真実を知るかどうかの決断を、2つの薬から選ばせる

・和室での戦闘訓練

預言者の部屋で、何かの練習をしている子供たち

・白髪でドレッドヘアの双子

・ハゲが、スミスに対して、ネオたちの居所を密告

・地下鉄での戦闘シーン

イナバウアーをして、銃弾を避ける

・銃弾を目の前で止める

・1作目のラストシーン

 

ファイト・クラブ

ブラッド・ピット演じるタイラー

エドワード・ノートンのナレーション

 

マイノリティ・リポート

・プリコグ(水につかっている預言者

 

『エイリアン』

・腹からエイリアンが出てくる(もはやパロディの定番(笑))

 

『ハルク』

・戦おうとすると、普通の男が緑になる

 

ドラゴンボール』?

・道場での戦闘訓練での衣装

 

 うさぎの着ぐるみも何かのパロディっぽいですけど、何なのかはわからないです。他にも、『マトリックス』の主演キアヌ・リーブスが出演している『スピード』や『ハートブルー』のネタもあります。

 

 ちなみに、私が一番面白かったのは『マイノリティ・リポート』のパロディ。そもそも『マイノリティ・リポート』のパロディなんか見たことなかったし、こんな単純なことでプリコグを無用のものにしてしまうなんて(笑)。気づかなかった。

 

4.まとめ

 くだらないんだけど、『アホリックス』は意外とイケます。本家『マトリックス』のシーンがかなりちゃんと再現されているので、実はそれなりに凝った映像もあります。元ネタを知っていると、まあまあ笑えます。本家が好きな方は激怒するかもしれませんが、そこまでではないという人ならおすすめしても良いかも。見なくても良いけど。

 

 ここまで面白いと何回か言ってきましたけど、期待しちゃだめですよ。そこまで面白いというわけでもないんで。期待度をできるだけ下げてから見ると、そのラインを少し超えてくるぐらいです。時間を無駄にしても良い暇なときに、見るべきです。少なくとも『マトリックス』3部作は見ておいてくださいね。内容とかはっきり覚えていなくても、ぼんやり覚えているくらいでも大丈夫なので。

 

 一応続編があるらしいですが、そこまではいらないかなという感じです。本作だけでやりつくした感あるので。

 

画像引用元

https://www.imdb.com/title/tt0401462/

映画『マシニスト』~追いつめられる孤独な男~

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 「人間の想像を超えた限界点から始まる、未体験ショック・ムービー!」というAmazon primeの紹介文につられて『マシニスト』(2005年)を見ました。紹介文だけでは何を言っているかさっぱりなのですが、要はあまり内容を話せない映画なんです。でも、実は結構上手い映画です。

 

 

1.あらすじ 

 機械工のトレバーは不眠症により、一年間まったく寝ていなかった。ある日、アイヴァンという謎の人物に出会い、彼に気を取られているときに同僚に大けがをさせてしまう。そして、次第に彼の精神は侵されていく。

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 あらすじを書いては見ましたが、脈絡がないのでよくわからないですね。予告編は不眠症を推していますが、これはあくまでもひとつの要素でしかなくって、メインではありません。不眠症が体に及ぼす影響とか、そういう話じゃないです。じゃあ、何なのかっていうとネタバレなしでは非常に言いにくい。主人公が何かのせいで、精神がやられていく話と言えばいいでしょうか。

 

 ちなみに、マシニストmachinistは機械工という意味。主人公の職業を表しているだけです。気の利いたタイトルとは言えませんが、これ以上の情報を言いたくないのでしょう。

 

2.驚異のやせ具合

 ネタを明かす前に、主役を演じるクリスチャン・ベールの話をしておきましょう。13歳のときにスティーブン・スピルバーグ監督の『太陽の帝国』(1987年)の主役に抜擢。以降、『ヘンリー5世』(1989年)、『アメリカン・サイコ』(2000年)などで確実にキャリアを重ねていきます。現在も、『ダークナイト』シリーズ、『バイス』(2018年)などに出演しており、ハリウッド随一の演技派俳優という立場を確立しつつあります。

 

 クリスチャン・ベールがすごいのは、役に対するアプローチ方法。毎回とてつもない減量や増量をして観客を驚かせます。本作では、おそらくクリスチャン・ベール史上最もやせている状態が見られます。その体重はなんと54㎏!健康な成人男性の体重が54㎏ですよ。映画のためにここまでするのだから恐ろしい。

 

 しかし、驚くのはこれだけではない。クリスチャン・ベールの次の作品は『バットマン・ビギンズ』。主役のバットマンを演じるには、マッチョでなくてはいけません。そのため、彼は6か月間で86㎏まで体重を戻しました。その差は32㎏。子供1人分の体重を増やしたわけです。この後も彼は作品のたびに、やせたり太ったりマッチョになったりを繰り返しています。本当に体が心配( ̄◇ ̄;)

 

 もちろん、彼がすごいのはその体だけではなく、演技もそう。本作は主人公の精神状態が細かく描かれているのですが、そこをしっかりと表現できるあたりはさすが。

 

3.張りめぐらされた伏線(ネタバレ)

 本作はあらすじでも書いたように、何だかまとまりがないような感じで話が進んでいきます。私は多重人格のお話かなと思ったで、とりあえずはまとまりのなさを解釈することができました。だから、主人公は多重人格でした、でまとまりのないまま終わっても普通の映画にはなるので、それで納得するつもりでいました。

 

 しかし、実はもっと深い理由があったところには、うなりました。上手いなあ。まとまりがなかった事柄が、ラストでひき逃げ事故という事象によりすべての説明がつくのは圧巻。不眠症、アイヴァン、ウェイトレスとその子供、赤い車、謎のメモ、等々。私が特に途中で見ていて不審に思ったのが、車の持ち主を探るために、わざわざ自分から車にひかれるところです。さすがにそれはやりすぎでは、とも思いました。しかし、これも自分がひき逃げをした罪悪感からということであれば、十分納得できます。

 

 本作のキーは「罪悪感」ということになるでしょう。トレバー自身はもともとそれほど悪い人ではなく、コールガールのスティービーとのやりとりを見た感じ、むしろ良い人なのでしょう。しかし、不注意からの事故、そして気の迷いによる逃亡により彼の人生はまったく変わってしまうのです。それ以来一睡もできず、ついには精神の限界がやってきます。その恐ろしさがひしひしと伝わってきます。

 

 精神の限界を最も象徴するのは最後にトレバーが苦しみから解放される場面です。牢の中で、彼は一年ぶりに眠ることができます。自首したからといって、少年が亡くなった事実は変わりませんが、少なくとも自分への裁きは下されるわけです。裁きを下されることで安堵するという状態にまで、彼は精神的に追い詰められていたのです。

 

4.まとめ

 だいたい、最後にはどういう人におすすめするかを書いているのですが、今回はどうしましょう。本作は全体的に陰鬱とした雰囲気なので、明るい気分で見るものではないです。ただ、ストーリーとしては非常に面白いし、クリスチャン・ベールの演技は見ものなので、ちゃんとした映画を見たいときにある程度気合を入れて見ましょう。その期待にはしっかり応えてくれるはずです。

 

画像引用元

https://www.imdb.com/title/tt0361862/

ティーン・チョイス・アワード2019が発表されたよ

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 現地時間の8月11日にティーン・チョイス・アワード2019がカリフォルニアで行われました。若者の今のトレンドを見るのにちょうど良いので、さっそく見ていきましょう。

 

 

1.ティーン・チョイス・アワードって何?

 そもそも、ティーン・チョイス・アワードとは、音楽、映画、テレビ、ファッション、インターネットなどの各分野でその年に最も活躍した人を、アメリカの13歳以上の男女による投票で選ぶものです。名前にも入っている通り、メインで投票するのはティーン(13~19歳)になります。

 

 この賞が他のものと異なるのは、選出に批評家や目の肥えた一般人などが絡んでこない点です。あくまでも、普通のティーンが投票します。よって、作品の善し悪しよりは、どれだけヒットしたかがこの賞においては重要です。この賞に選ばれたものは今のアメリカの若者で最も人気があるということになり、トレンドを見る一つの目安にもなります。

 

 ちなみに、受賞者にはサーフボード型のトロフィーが送られるのが慣例になっています。

 

2.受賞作品

 ノミネート作品と受賞作を見ていきましょう。ただ、部門がかなりたくさんあるので、今回は映画の主要部門のみ紹介します。受賞作の文字は緑色になっています。

 

アクション映画部門

アベンジャーズ/エンドゲーム』

・『アントマン・アンド・ワスプ』

・『バンブルビー

・『キャプテン・マーベル

・『メン・イン・ブラック:インターナショナル』

・『スパイダーマン:スパイダーバース』

 

アクション映画俳優部門

ロバート・ダウニーJr. 『アベンジャーズ/エンドゲーム』アイアンマン役

・ジャン・シナ 『バンブルビー』ジャック・バーンズ役

・クリス・エヴァンズ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』キャプテン・アメリカ

クリス・ヘムズワース 『アベンジャーズ/エンドゲーム』ソー役 『メン・イン・  ブラック:インターナショナル』エージェントH役

サミュエル・L・ジャクソン 『キャプテン・マーベル』ニック・フューリー役

ポール・ラッド 『アントマン・アンド・ワスプ』『アベンジャーズ/エンドゲー ム』アントマン

 

アクション映画女優部門

スカーレット・ヨハンソン 『アベンジャーズ/エンドゲーム』ブラック・ウィドウ役

ブリー・ラーソン 『キャプテン・マーベルキャプテン・マーベル

エヴァンジェリン・リリー 『アントマン・アンド・ワスプ』ワスプ役

ヘイリー・スタインフェルド 『バンブルビー』チャーリー・ワトソン役

ゾーイ・サルダナ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』ガモーラ役

テッサ・トンプソン 『メン・イン・ブラック:インターナショナル』エージェントM役

 

SF・ファンタジー映画部門

『アラジン』

・『アクアマン』

・『X-MEN:ダーク・フェニックス』

・『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

・『メリー・ポピンズ・リターンズ』

・『シャザム!』

 

SF・ファンタジー映画俳優部門

ウィル・スミス 『アラジン』ジーニー役

・ザッカリー・レビ 『シャザム!』シャザム役

・メナ・マスード 『アラジン』アラジン役

ジェームズ・マカヴォイ 『X-MEN:ダーク・フェニックス』プロフェッサーX役

・リン=マニュエル・ミランダ 『メリー・ポピンズ・リターンズ』ジャック役

ジェイソン・モモア 『アクアマン』アクアマン役

 

SF・ファンタジー映画女優部門

ナオミ・スコット 『アラジン』ジャスミン

エミリー・ブラント 『メリー・ポピンズ・リターンズ』メリー・ポピンズ

キーラ・ナイトレイ 『くるみ割り人形と秘密の王国』シュガー・プラム役

ソフィー・ターナー 『X-MEN:ダーク・フェニックス』ジーン・グレイ役

キャサリン・ウォーターストン 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの旅』ティナ・ゴールドスタイン役

 

ドラマ映画部門

『After(原題)』

・『ボヘミアン・ラプソディ

・『ブレイク・スルー』

・『Five Feet Apart(原題)』

・『ヘイト・ユー・ギブ』

・『好きだった君へのラブレター』

 

コメディ映画部門

クレイジー・リッチ!

・『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』

・『ロマンティックじゃない?』

・『Little(原題)』

・『名探偵ピカチュウ

・『パーフェクト・デート』

 

悪役部門

ジョシュ・ブローリン 『アベンジャーズ/エンドゲーム』サノス役

ジョニー・デップ 『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの旅』

・マーワン・ケンザリ 『アラジン』ジャファー役

・ジュード・ロー 『キャプテン・マーベル』ヨン・ログ役

マーク・ストロング 『シャザム!』ドクター・シヴァナ役

パトリック・ウィルソン 『アクアマン』オーシャン・マスター役

 

夏映画部門

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

・『レイト・ナイト』

・『マーダー・ミステリー』

・『ラスト・サマー~この夏の先に~』

・『トイ・ストーリー4』

・『イエスタデイ』

 

こんな感じです。皆マーベルとディズニーが好きなんですね。というか、映画の面白さと俳優の上手さがまったく分けられていなくて、映画が面白いから俳優も好きっていう感じがします。だから、『アベンジャーズ/エンドゲーム』と『アラジン』が3冠しちゃっています。実際には映画がそこまで面白くなくても、俳優の演技が上手いってことはしばしばありますからね。

 

3.気になる映画

 上で述べた作品の中には、日本での知名度が低かったり、これから公開される作品も含まれています。その中から私が気になった作品を2つピックアップしてみます。

 

クレイジー・リッチ!

 独身女性がお金持ちの独身男性に出会うことで始まるラブコメディです。ストーリーは大したことはないかもしれませんが、注目したいのはそのキャスト。ハリウッドではほとんどなかったオールアジア系キャストです。アメリカで差別と言えば黒人に対するものがよく取り上げられますが、アジア人の立場も良いとはいえない。そんな中でも、アジア人がメインで登場するこの作品がアメリカでもヒットしたことは特筆しておくべき。

 

『イエスタデイ』

 名監督ダニー・ボイルが手掛けるコメディドラマ。ある日、主人公はビートルズのいない世界に来てしまい、ビートルズの曲を知っているのが自分だけになる……という話。話が面白そうだし、ダニー・ボイルなので期待大。エド・シーランも出るらしいです。日本では2019年10月11日公開予定。

 

4.まとめ

 ティーン・チョイス・アワードを見てきたのですが、いかがでしょうか。ティーン・チョイス・アワードには他にも音楽部門やyoutuber部門などもあります。そういったものも調べてみると面白いかも。