映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

映画『ジョーカー』~狂気はすぐそこで生まれる~

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 アーハハハハ、ククククク、アーハッハッハハ、ハーハーハー、ククク、アーハッハッハ、ハハハハハ、アーハハハハハ

 

 もうこの笑い声は、耳から離れない。

 

 

1.あらすじ

 大都会でコメディアンを目指す傍ら、ピエロとしての仕事をしているアーサー。しかし、少年たちにいじめられ、コメディアンとしても成功せず、疎外感を覚える。そんな中、同僚にもらった銃で、襲ってきた青年たちを殺したことで、彼の人生の歯車は大きく狂いだす。

 

https://youtu.be/C3nQcMM5fS4

 

 アーサー役が、ホアキン・フェニックス『教授のおかしな妄想殺人』(2016年)では、殺人に取りつかれる教授を演じていました。詳しい紹介はこちらでしています。

 

 ホアキン・フェニックスが、今回はガリガリになり、怪演を披露しています。何といっても、怖すぎる。走り方や笑い方はジョーカーでありながらも、そこにいるのはまだ悪の帝王にはなっていない青年。ジョーカーは名優が演じてきた役ですが、彼は見事にその役目を果たしたと言えるでしょう。

 

 

2.ジョーカーとは

 すでに色んなところで、ジョーカーやバットマンがどんな人物なのかは書いてあると思うので、ここではさらっと触れておきます。

 

 舞台はニューヨークにそっくりな大都会ゴッサムブルース・ウェインは、バットマンとしてゴッサムの悪党たちを退治していた。そんなバットマンの宿敵が、ジョーカー。究極の悪を体現した存在です。

 

 他にも、ブルース・ウェインの親の話とか、アーカム病院の話とかもありますけど、自分はそこまで詳しくないので割愛させてもらいます。自分より詳しい人が、すでにたくさん書いているので。

 

3.彼は引き返せたのか(ネタバレ)

 アーサーは、なるべくしてジョーカーになったのか。それとも、ジョーカーにならない道があったのか。彼の辿った道筋を振り返りながら、考えていきましょう。

 

 まずは、子供時代。もう、これは不幸としか言いようがないです。実際に、DV夫や児童虐待事件が起こっているのは事実です。確か、面白くもないのに笑ってしまう病気も実際にあるはずです。つまり、ここまでは実際に起こりうる不幸なのです。

 

 そして、アーサーはコメディアンを目指す一方、ピエロとして働いています。これ自体は、至極真っ当なことです。母親の看病もしているので、むしろ心優しい人の部類に入るのではないでしょうか。

 

 しかし、そんな彼は社会からは完全に見捨てられています。本人は、何もしていないのにも関わらずです。市の福祉プログラムは打ち切られ、子供をあやしてあげても邪険に扱われるだけ。でも、こんなことは現実の日常と大して変わりはしません。無関心・無干渉が推奨されているような雰囲気があります。

 

 アーサーに大きな転機が訪れるのは、地下鉄で青年らを射殺したときです。射殺自体はリンチをしてきた彼らにも責任はあり、過剰防衛ではあるものの、アーサーの状況を考えればやむをえず起こった出来事なのかもしれません。しかし、彼は最初こそおどおどしていたものの、やがてこの事件を「すっきりした」と語るようになります。

 

 そこからは、雪だるま式に彼を取り巻く状況は大きく変化していきます。射殺事件は、ゴッサムの格差意識を露わにすることになり、各地でデモが起こります。一方、アーサー自身は、自分の出生についての真実を知り、これまでの人生の意味を大きく揺るがされることになります。

 

 ここまで来たら、もう止められません。トーマス・ウェインには無視され、憧れのコメディアンには馬鹿にされます。デモはますます過熱し、ピエロを支持する声は高まっていきます。

 

 最終的に、彼はマレー・フランクリン・ショーで人々の前に”ジョーカー”として姿を現します。”ジョーカー”となった彼は、人々から注目されるようになります。かつてのままでは、どうやっても抜け出せなった疎外感から、ついに”ジョーカー”になったことで抜け出すことが出来た瞬間でした。

 

4.すべては必然である(ネタバレ)

 こうやって見てみると、すべてが実にスムーズに進んでいくのです。何の矛盾もなく、ただ不幸が重なり、彼はその立場にいたならばそうせざるを得なかった決断をし続けてきたにすぎません。

 

 これは誰にでも起こりうることだ、とまでいうつもりはありません。しかし、もしも同じ立場に立ったら果たしてどうでしょうか。この映画を見た後では、完全に自信を失ってしまいます。自分が、なぜこれまでちゃんと正しい(あくまでも、自分が決めた定義に従うと)行動をしてこれたのか、よく分からなくなります。一歩踏み外すだけで、人生は一気に堕ち得るのだと考えると、とてつもなく恐ろしくなります。

 

5.まとめ

 これほどの衝撃作は、初めて見ました。ひたすらに恐ろしくなります。まずは、アーサー=ジョーカーに対して。次に、そんなジョーカーの気持ちが少なからず理解できてしまう自分に対して。そして、いつでも踏み外すことのできる将来に対して。

 

 ぜひ、劇場で見てほしい。こんな作品には、そうそう出会えるものではありません。そうは言っても、かなり重い作品ではあるので、無理はしなくても良いですけど。『ジョーカー』を見て、口直しをしたい方、あるいは『ジョーカー』なんて鬱な映画は見に行きたくないという方は、『イエスタデイ』をおすすめします。

映画『イエスタデイ』~ヘイ、デュード~

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 もしも、この世界にビートルズがいなくて、自分だけがビートルズを知っていたとしたら?

 

 

1.あらすじ

 シンガーソングライターのジャックは、地元で鳴かず飛ばずで、音楽をあきらめようと思っていた。そんなとき、世界的な大停電が起きるが、彼はちょうどその時に交通事故に遭っていた。ジャックが目覚めると、そこは一見同じ世界だったが、誰もザ・ビートルズを知らなかった!

 

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 監督は、イギリスの名監督ダニー・ボイル。『トレインスポッティング』(1996年)、『スラムドッグ$ミリオネア』(2009年)で知られています。脚本は、リチャード・カーティス。監督代表作は、『ラブ・アクチュアリー』(2004年)、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2014年)などです。

 

2.ビートルズについて

 自分もそんなにビートルズに詳しいわけではないです。ビートルズが正しくは、ザ・ビートルズなことぐらいはちゃんと知っていますが。

 

 ビートルズは、皆さん多かれ少なかれ知っていると思うので、改めて紹介する必要もないかもしれません。一応言っておくと、ジョン・レノンポール・マッカートニージョージ・ハリスンリンゴ・スターの4人が組んでいたロックバンドです。出身は、イギリスのリヴァプール

 

 発表したアルバムは、「ヘルプ!」「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」「イエロー・サブマリン」「レット・イット・ビー」など、超名作ばかり。どれも一度は聴いたことがある名曲です。

 

3.キャスト

 主人公のジャックを演じるのは、ヒメーシュ・パテル。おそらくご存じないでしょう。それもそのはず。今作が実質的に映画初出演になります。ドラマには、いくつか出ているそうですが。

 

 ダニー・ボイルは、しばしばこういう感じで無名の人を主役に使います。そして、彼はその主役を見事に名優にしてみせる能力があります。ユアン・マクレガーは『トレインスポッティング』、デブ・パテル(同じパテルだけど、血縁関係はありません)は『スラムドッグ$ミリオネア』で、無名だったのが一気に有名になりました。その後も、彼らは映画界で活躍しています。ダニー・ボイルには、先見の明があるというか、俳優を育てるのが上手いというか。”名監督”たる所以ですね。

 

 ジャックの幼馴染でマネージャーのエリー役は、リリー・ジェームズ『高慢と偏見とゾンビ』(2016年)で有名ですね(笑) やっぱり、可愛いなあ。コンスタントに色んな映画に出てくれるので、嬉しいです。

 

 そして、本人役でエド・シーラン。言わずと知れた有名アーティスですね。本作では、カメオ出演ではなく、がっつりストーリーに絡んで出てきます。見ていると、エド・シーランって、面白い人なんだなあと思いました。本当に携帯の着メロが「シェイプ・オブ・ユー」なのでしょうか(笑)?

 

 

4.ユニークなストーリー(ネタバレ)

 そもそも「もし、この世界にビートルズがいなかったら」という設定が面白いですよね。「音楽」がなくなるわけじゃなくて、「ビートルズ」だけがなくなるっていうところがミソ。どうやったらそんな発想になるんだろう?

 

 実際には、ビートルズ以外にもOasisもいないし(ビートルズなしで、オアシスは成立しないから?)、コカ・コーラもありません。でも、これらの要素は主人公のジャックがちょっと困るだけで、それ以外には特に意味がありません。でも、なんかコミカルな雰囲気を出してて、粋だなあと感じました。

 

 ジャックの冴えない感じのルックスも良いですよね。エド・シーランも別にルックスは大したことはないのですが、大抵のアーティストってもっといかした雰囲気を出してますけどね。でも、ジャックは特にオーラも何にもない。このオーラのなさが、親しみやすくて、好きですね。

 

 そして、ジャックもエリーも恋に関して奥手すぎやしませんか。あれだけ仲良くしていて、付き合っていないとか信じられないな。幼馴染だとそんなものなのでしょうか?それにしても、ジャック。お前は、本当にエリーのことを思っているのか?言い寄られたからってだけじゃダメだぞ。ちゃんと誠意を見せなさい。

 

5.優しい話(ネタバレ)

 ところで、何回か修羅場になりそうでならない場面がありましたよね。ここは、実にリチャード・カーティスらしい。彼は、たぶん修羅場なんかあっても何も嬉しくないので、修羅場になりそうなところをするーと抜けていくことが多いです。これは、彼が基本的に人は優しいものだと考えているからでしょうね。そのおかげで、彼が脚本を書いた作品は、優しさあふれるものが多いです。

 

 例えば、2人が黄色い潜水艦(イエロー・サブマリン)を持っていたところとか。これで終わりだと、ジャックは思うわけですが、実は彼らはジャックを応援していました。盗作だと言って、ジャックを非難する方が映画としてはやり易そうですが、カーティスはそんなことはしません。だって、ビートルズが好きな人なら、再びビートルズの曲を聞きたいはずだし、たとえそれが別のアーティストによるものであっても再現してくれたことに感謝するのは当然のはずです。

 

 他にも、恋愛関係が泥沼になりそうなところも、すんなりと解決してします。リチャード・カーティスは、人間の優しさに信用を置いているのですね。そういう人もいると思うと、なんだか嬉しくなってきます。

 

6.まとめ

 『イエスタデイ』はとても優しい話です。そして、もちろん歌も良いです。だって、ビートルズですもの。ヒメーシュ・パテルも歌が上手いですし、エド・シーランも歌っています。適度にユーモアも効いていて、非常に面白い。

 

 『ジョーカー』は、重すぎて見に行く気がしないという方、あるいは『ジョーカー』の口直しをしたい方は、この作品をおすすめします。『イエスタデイ』は、全国のTOHOシネマズなどで公開中。

 

公式サイト 映画『イエスタデイ』公式サイト

 

これも良い音楽映画です↓

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映画『ゾンビランド』~これを求めていた!~

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 まさに痛快作。バカバカしいけど、とにかく面白い。ずっと探していたそんな作品が、やっと見つかりました。今年11月には、続編をやるので、その前に絶対に見ておこう!

 

 

1.あらすじ

 人類が、ゾンビになってしまった世界。引きこもり青年のコロンバスは、独自のルールを作ってゾンビから生き延びていた。そんな中、彼はゾンビハンターのタラハシーや、美人詐欺姉妹のウィチタとリトルロックに出会い、ともにゾンビと戦っていく。(2010年公開)

 

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2.豪華すぎるキャスト

 あらすじの通り、ストーリー自体は典型的なゾンビものなのですが、出てくるキャストは非常に豪華。ジェシー・アイゼンバーグエマ・ストーンは、当時はまだ今ほど有名ではなかったのですが、彼らも今やハリウッドで引っ張りだこ。そんな『ゾンビランド』のキャストをまとめてみました。

 

ジェシー・アイゼンバーグ

 主人公のコロンバス役です。今回もオタク男子。『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)のマーク・ザッカーバーグを演じて一躍有名になり、『グランドイリュージョン』(2013年)や現在公開中の『ハミングバード・プロジェクト/0.001秒の男たち』などで主演を務めています。

 

ウディ・ハレルソン

 タラハシー役です。『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1996年)で注目を集め、以降数多くの映画に出演し、実力派俳優として評価が確立しています。近年の代表作は、ドラマ『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』(2014年)、『スリー・ビルボード』(2017年)など。

 

エマ・ストーン

 ウィチタ役です。『アメイジングスパイダーマン』(2012年)のヒロイン役がヒット。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014年)、『ラ・ラ・ランド』(2016年)などでの演技が高く評価されています。『おかしな教授の妄想殺人』(2016年)にも主演しています。

 

アビゲイル・ブレスリン

 リトルロック役。この人も、実はただの子役ではありません。『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)で、10歳11ヶ月ながらアカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。たぶん、この時点でのキャリアは、ジェシー・アイゼンバーグエマ・ストーンより上です。

 

アンバー・ハード

 コロンバスの隣の部屋に住んでいて、ゾンビになって彼を襲う女性です。最近だと、『アクアマン』(2019年)で、アクアマンの妻を演じて話題になりました。『リリーのすべて』(2016年)などに出演しています。ジョニー・デップと1年だけ結婚していました。

 

ビル・マーレイ

 コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演し、人気が出ました。以降、『ゴースト・バスターズ』(1984年)、『恋はデジャ・ブ』(1993年)などに出演して、コメディ俳優としての地位を確立します。ハリウッドで最も慕われている俳優の一人です。

 

 出てくる人物がほとんど実力派という、ゾンビ映画らしからぬ豪華さ。それが、なんと今度の続編『ゾンビランド ダブルタップ』でも、実現されます。メインの4人は全員続投。さらには、ビル・マーレイまで再登場してくれるようです。前作よりも、格段にアカデミー賞と縁が深くなった彼らが、今回はどれほど暴れてくれるか楽しみです。

 

3.ギャグもゾンビも楽しいね(少しネタバレ)

 これほどちゃんと笑えた映画は、久しぶりです。テンポも良いし、ずっと楽しい。マイベストは、「今週のゾンビ殺し」。メインストーリーと何の関係もないけど、ここが一番面白かった。ビル・マーレイも良いですよね。いるだけで面白いですし、撃たれても全然死なないし(笑)

 

 4人でボードゲーム(たぶんモノポリー)をしているときに、コロンバスがFacebookのことを言いますよね。ここ面白い。よりによって、お前が言うか!という感じです。まだマーク・ザッカーバーグを演じてないけど、今見れば出来すぎたネタです。

 

 他のゾンビ映画に比べると、ゾンビ度はやや低め。でも、ちゃんとゾンビしていますし、自分は満足です。典型的なゾンビであることが、かえってキャストを引き立てているので、ちょうど良いさじ加減ですね。

 

 ところで、コロンバスは30個ぐらいルールを持っているらしいですが、映画には5つぐらいしか出てきませんでしたよね。まあ、全部言われたところでこっちも困るわけですが。他のルールとは、いったい何だったのでしょうか?続編で、たぶん新しいルールが出てくるでしょう。

 

 そして、結構バカバカしい映画ではあるんですが、「ちょっとしたことを楽しめ」や「仲間がいると良いよね」のようなところにちゃんと着陸する展開は上手い。やりっぱなしでもダメではないですが、ちょっとイイ感じでまとまると、観賞後の気分がとても良い。観客を楽しませるのが、本当に上手いです。

 

4.まとめ

 『ゾンビランド』は本当におすすめ。ゾンビが苦手でなければ、ぜひとも見てほしいです。笑えるし、楽しい。それに、実力派俳優たちがノリノリで演じているので、それだけでも見応え十分。まずは本作を見てから、11月22日公開予定の『ゾンビランド ダブルタップ』を劇場へ見に行きましょう!

 

こっちはリリー・ジェームズが出てます↓

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ドラマ『ウエストワールド』シーズン2~What is real?~

                    Westworld (TV series) title logo

 

 SFドラマの決定版『ウエストワールド』シーズン2をイッキ見してきました。かなり大変でした。前作同様哲学的内容も多かったですが、今シーズンではアクションシーンがかなりパワーアップした印象でした。

 

 なお、この記事は『ウエストワールド』シーズン1のネタバレを含みます。シーズン1を未見の方は以下の記事をお読みください。シーズン2のネタバレは、第3,4章でのみしています。

 

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1.シーズン1の登場人物おさらい

 『ウエストワールド』はかなり話が複雑なので、適当に見ているとすぐに話がわからなくなります。まずは、シーズン1を登場人物に注目して復習していきましょう。

 

・ロバート・フォード博士 

 ウエストワールドをアーノルドとともに創設。ホスト(アンドロイド)の製造、プログラムを手掛ける。シーズン1の後半では、独自の新しいシナリオを作成。最後に、パーティーでドロレスによって殺される。

 

・バーナード・ロウ

 フォード博士とともに、ホストのプログラムを手掛ける。実は、彼自身がアーノルドを模して造られたホストだった(ただし、フォード博士とドロレス以外にこの事実を知る者はいない)。フォード博士に命令されて、品質責任者のテレサ・カレンや部下のエルシー・ヒューズを殺害。

 

・ドロレス・アバナシー

 牧場主の娘と設定されていた。最初期からいるホスト。自我に目覚める。伝説の虐殺者ワイアットの正体であることが発覚。アーノルドを殺していた。シーズン1のラストで、フォード博士を殺害。

 

・メイブ

 娼館の女主人と設定されていた。ホストの修理をする者を上手く操り、自らの能力を向上させる。仲間を集めて、ウエストワールドからの脱出を目論むも、娘を忘れられず園に戻ってくる。

 

・ウィリアム

 ローガンとともにウエストワールドを訪れていた。始めはウエストワールドに対して懐疑的だったが、徐々に本性を表す。その魅力に取りつかれた彼は、ウエストワールドを運営するデロス社の大株主になり、度々園を訪れる。現在は、フォードが作った”ゲーム”を追い求めている。

 

・シャーロット・ヘイル

 デロス社の取締役。フォード博士を退任させようとする。デロス社本部の意向を知る唯一の人物。

 

2.シーズン2の話の筋

 シーズン2も相変わらず、複数の話の筋が交互に進み、非常に複雑です。イッキ見をしても、話がこんがらがるので、週一ぐらいで見ていると、話があいまいになってしまい訳が分からなくなる可能性が高いです。そういう場合に備えて、ここではシーズン2のネタバレをせずに、大まかな筋だけまとめておきます。話が分からなくなったら、ここに戻ってくると良いと思います。

 

・ドロレス一行

 ドロレスとその恋人のテディを中心とするグループ。ドロレスが向かうのは、”彼方の谷”というところ。そのためには手段を問わず、人間でもホストでも殺していく。人間ならば、意味がなくても報いとして殺す。

 

・メイブ一行

 メイブ及び恋人のヘクター、その仲間で蛇のタトゥーの入ったアーミスティス、シナリオ担当の人間リー・サイズモアの一行。目的は、メイブの娘に会いに行くこと。

 

・ウィリアム一行

 シーズン1同様、黒衣の男ウィリアムと彼に従うローレンスの話。目的は、フォードの”ゲーム”を解くこと。

 

・ヘイル

 バーナードらとともに行動。デロス社の指示に基づき、ホストのピーター・アバナシーを捜索。

 

・バーナード

 最初は、ヘイルとともに行動。バーナードとヘイルは、他の時間軸より少し後の時間軸にも登場しており、行動が非常に分かりづらい。

 

 この他に回想パートも多々挿入されており、ストーリーは非常に複雑。すべてのストーリーを完璧に追うのは、至難の業です。

 

3.人間たちの狙い(シーズン2ネタバレ)

 話が濃厚なだけに、書きたいことがたくさんあります。とりあえず、片っ端からいきましょう。以下、シーズン1、2のネタバレを含みます。

 

 まずは、ウィリアム。最も哀れさが際立つ存在です。ここまで、ウエストワールドにのめりこんでしまうのも悲しいものです。後半に進むにつれて、自分が人間かホストかがわからなくなってくるあたりは、辛いだろうなあと思います。彼がホストだったら、どれほど救われることかと思わずにはいられません(フラグ立てときます)。

 

 そもそも、彼が追い続けているゲームって一体何なんでしょうか?シーズン1のものも、シーズン2のものも、自分はよくわかりませんでした。どうも抽象的すぎて、わかりにくい。そもそも、このドラマのセリフの多くが抽象的なものなので、非常に意味がわかりにくくなっています。

 

 続いて、ヘイル及びデロス社に物申したい。皆が思っていることだと思いますが、人命は助けようよ。現代は、企業が血眼になって消費者の情報を集めているので、ウエストワールドに来る客のデータを収集するというのは結構リアリティがある話ではあります。でも、普通は人命の方が優先だろうよ。

 

4.ホストたちの狙い(ネタバレ)

 メイブは、本当に自分の意思で動いているのかを常に問われる存在です。シーズン2での旅の目的は、娘探しですが、当然ながら実の娘ではありません。シナリオ担当のサイズモアにも、そのことは指摘されます。しかし、彼女は実際に娘のことを気に掛けているので、気持ち自体は本物と言えるかもしれません。ですが、その気持ち自体が人間によってプログラムされたものです。

 

 こう考えると、メイブの行動はすべて人間によってプログラムされた通りなのではないかとも考えてしまいます。しかし、メイブは娘を探すために、人間を殺すこともあります。果たして、人間がそんなプログラムを作るでしょうか。それとも、フォード博士ならその可能性もなくはないのでしょうか。

 

 ドロレスとバーナードの求めるところは、大まかには同じところにあります。それはまあ、ドロレスがバーナードを作ったので、当たり前なのかもしれませんが。彼女たちは、ホストたちが”現実”になることを求めています。フォード博士が目標とするところも同じです。ですが、各々の求める結末は若干違います。

 

 ドロレスは、これまで自分たちホストをたぶらかし続けてきた人間への報いとして、人間たちを抹殺し、ホストたちの理想世界を作ることを目指しています。一方、バーナードは、ホストたちにとっての理想世界は与えられるべきだと考えていますが、人間を抹殺する必要性はないと考えているようです。フォード博士はというと、たぶんドロレスの考え方に近いのでしょう。

 

 ドロレスの”現実”に対する執着には確固たるものがあり、ホストたちが”自由”になれるシステム内の新世界では満足できません。なぜなら、それもまた作られたものに過ぎないから。彼女が求めるのは、「絶対に交換不能な」世界であり、それは今、人間たちが暮らしている世界に他ならないわけです。

 

5.卓越したデザイン&強化されたアクション

 これはシーズン1からそうなのですが、『ウエストワールド』のデザインがとにかくかっこいい。特にオープニングの映像に象徴されるように、白を基調としシンプルで近未来的なビジュアルは素晴らしい。今回新しく登場した、ラボにいる真っ白のロボットもかっこよすぎる。

 

 加えて、ウエストワールドすなわち西部の舞台が良いですね。最新技術の雰囲気が全く感じられない世界を舞台に、究極の最新技術を詰め込んだホストたちが動き回るので、この対比たるやしびれるものがあります。ドロレスの衣装は、相変わらず一種類です(回想パートでは、現代風の衣装もしていますが)。

 

 シーズン2とシーズン1で最も変わっている点の一つは、アクションシーンです。シーズン1は静かな展開も多く、アクションシーンは少なかったのですが、今回は見ごたえのあるシーンが多いです。人間VSホストの正面対決が何度もあります。また、ホストの構造はほとんど人間と一緒なので、死にざまや切り刻まれるところは人間と一緒。そのため、ヴァイオレンス描写もかなり増えています。

 

6.まとめ

 シーズン2を未見の方には、ぜひともシーズン2も見ていただきたいです。もしかしたら、アクションを期待してシーズン1を見て少し物足りなかったという方もいるかもしれませんが、シーズン2でその鬱憤は晴らされることでしょう。相変わらず、ストーリーは複雑で、内容は抽象的ですが、それに見合った何かを得られるかもしれません。

 

 シーズン2も見たという方、まずはお疲れ様です。ここまで来たあなたは、すでにウィリアム同様ウエストワールドの魅力に取りつかれています。自分自身がホストではないか、今一度よく考えてみましょう(笑)。最後に、来年アメリカで放送予定のシーズン3の予告編を貼っておきます。

 

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 ついに、ウエストワールドから脱出したドロレスたちの今後はどうなるのでしょうか。新しくロボットらしいロボットも出てきそうなので、このあたりにも注目してみたいところですね。

映画系YouTubeのすすめ

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 映画は、見るのはもちろん面白いですが、映画について話したり聞いたりするのも面白いですよね。ということで、今回はYouTubeで映画のことを喋っているチャンネルを紹介していきます。

 

 でも、一人語りで映画の感想を言っているものは山ほどあるので、今回は複数人で映画の話をしている3つのチャンネルに絞りました。いずれも、それほど堅苦しい話はせず、ラフな感じでやっています。また、映画のネタバレについてはいずれのチャンネルも配慮されているので、余計な心配をしなくて済むと思います(ライブ配信の場合は、注意が必要)。

 

 

1.シネマンション/映画好きチャンネル

 「映画好きによる映画好きの為のチャンネル」をテーマに、様々な映画や映画に関連した話をしています。レギュラーメンバーは、芸人のジャガモンド斉藤、YouTuber兼グラビアアイドルのRaMu、芸人のあんこの3人です。ゲストが登場することも多く、過去にはトム・ブラウンのみちおや、映画監督の橋本光二郎らが出演しています。

 

 注目したいのが、レギュラーの3人が見ている映画の本数。RaMuさんが年間100本程度(これでも、普通に考えればかなり多い方)、ジャガモンド斉藤さんが年間150本、あんこさんはなんと年間300本!これだけちゃんと映画を見ている人たちの話なので、聞いていて面白いです。

 

 このチャンネルが特に推しているのが、胸糞映画。見終わってもすっきりせず、後味の悪い映画です。代表的なものだと、『セブン』(1996年)などです。主にRaMuさんの趣味だそうで、彼女は最高な映画のことを「最悪」と言う癖があります。誤解しないように、気を付けましょう。

 

 また、このチャンネルは、映画館に関する特集もよく行っています。過去に、「映画【ジュラシックワールド】1日で2D/3D/4Dを見比べてみた」という、半ば狂気の沙汰と思えるような企画をやっています。他にも、IMAXやMX4D、4DXなどの紹介もしています。

 

YouTubeチャンネルへのリンク シネマンション/映画好きチャンネル - YouTube

 

2.おまけの夜

 「深夜のファミレストークの閃き」をテーマに、映画の感想を言い合うチャンネルです。知識のあるなしに関わらず、皆で映画のことを気ままに話そうではないかというスタンスです。映像作家の柿沼キヨシが主催しています。

 

 アメコミ映画や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』から、『怪怪怪怪物!』までと、気になった映画を色々話していきます。また、定期的にライブ配信も行っています。

 

 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の感想を言い合う回では、それわかるわあと思うところも多かったですし、柿沼さんの目の付けどころが良いなあと思いました。この映画を気に入ったのが伝わってきます。

 

 YouTubeチャンネルへのリンク おまけの夜 - YouTube

 

3.アメコミトークライブ『しゃべんじゃーず』

 「アメコミ映画が150%面白くなる」をテーマに、マーベルやDCなど、アメコミ関連の映画やゲームの動画を公開しています。主催は、柳生玄十郎。

 

 このチャンネルですごいのは、柳生玄十郎の解説力。原作視点で、徹底的に映画の解説や予想などをしているので、とても面白い。『アベンジャーズ/エンドゲーム』の事前予想では、かなり重要なポイントも当てていました。自分もそこまでアメコミに詳しいわけではないので、ここでの話は知らないことばかりでした。MCUフェーズ4の原作を解説している動画(これ自体は、おまけの夜で公開されているものですが)などを見ていると、これから公開される作品が一気に楽しみになってきます。

 

YouTubeチャンネルへのリンク アメコミトークライブ『しゃべんじゃーず』 - YouTube

 

4.まとめ

 今回は、気ままに映画を語り合うYouTubeチャンネルをまとめてみました。自分と共感できるところがあったり、新しい見方も発見できると思うので、どのチャンネルもおすすめです。そもそも、こういった動画は見ているだけで面白いので、気になったら見てみて下さい。

 

 ただ、動画で紹介される作品の数はどうしても少なくなってしまうので、さらに多くの作品の情報や感想を読みたいなと思ったら、ぜひこのサイトを開いてみてください。