映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

第4のスパイ―ジャック・ライアン―

Jack Ryan (Trending Twitter Topics from 20.01.2019)

 ジャック・ライアンをご存じでしょうか?日本では、いまいち知名度が低いのですが、すでに何作もの映画が作られている人気キャラクターなのです。今回はそんなジャック・ライアンについて紹介していきましょう。

 

 

1.第4のスパイ

 皆さんはスパイといえば、誰を思い浮かべるでしょうか?まっさきに思い浮かぶのは、007ことジェームズ・ボンドでしょう。次に、『ミッション・インポッシブル』シリーズでトム・クルーズが演じているイーサン・ハントを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。そして、映画をよく見るという方なら、マット・デイモン演じるジェイソン・ボーン(『ボーン・アイデンティティー』(2002年)などに登場)が出てくるかもしれません。

 

 しかし、実はこれらのスパイと同じくらい、いやそれ以上に活躍しているスパイがいるのです。それが、ジャック・ライアン

 

 元は、トム・クランシーの小説のキャラクターで、19作品に登場しています。ジャック・ライアンが登場する映画・ドラマには次の6本があります。

 

レッド・オクトーバーを追え!』(1990年)

パトリオット・ゲーム』(1992年)

今そこにある危機』(1994年)

トータル・フィアーズ』(2002年)

エージェント:ライアン』(2014年)

ドラマ『ジャック・ライアン』(2018年) Amazonオリジナル

 

 現在までに、イーサン・ハントは映画6本、ジェイソン・ボーンは15冊の小説と4本の映画に登場しているため、ジャック・ライアンの方が作品数は多くなっています。

 

 ちなみに、ここでは作品の公開順に並べましたが、作品内の時系列順だと、『エージェント:ライアン』→ドラマ『ジャック・ライアン』→『パトリオット・ゲーム』→『レッド・オクトーバーを追え!』→『今、そこにある危機』→『トータル・フィアーズ』という感じになるでしょうか。ただ、作品ごとの関連は薄いので、順番はあまり気にしなくて大丈夫です。

 

2.顔が変わる

 それほどたくさんの映画になっているにも関わらず、いまいち知名度が低い理由はジャック・ライアンを演じる俳優にあります。ほぼ、1作ごとに演じる人が変わってしまうので、ジャック・ライアンが誰なのかというイメージが付きづらいのです。これまでにジャック・ライアンを演じたのは以下の5人。

 

・アレックス・ボールドウィン 『レッド・オクトーバーを追え!』

ハリソン・フォード 『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機

ベン・アフレック 『トータル・フィアーズ

クリス・パイン 『エージェント:ライアン

・ジョン・クラシンスキー ドラマ『ジャック・ライアン』

 

 さすがに、こんなにジャック・ライアンがいてはこっちも大変というわけ。でも、ジェームズ・ボンドだって演じる人は変わるじゃないかと言うそこのあなた。その通り。確かに、ボンドを演じた俳優は、ショーン・コネリーロジャー・ムーアダニエル・クレイグなど6人います。しかし、彼らは一人当たり平均4作に出ているので、まあまあ覚えていられるのです。

 

 このように1作ごとに人が変わってしまうのは、マーケティング的観点からは失敗なのですが、良い点もあります。それは、色んな人が同じ役を演じるのを楽しめるということ。そして、常に若いジャック・ライアンが見られることです。トム・クルーズがいつまでも体を張ってイーサン・ハントを演じているのも見ものではありますが、普通は若い人の方がアクションのキレが良く見ごたえがあります。ジャック・ライアンシリーズには、そういう利点もあります。

 

3.家族を持つスパイ

 ジャック・ライアンのプロフィールを紹介しておきましょう。若いときはアメリ海兵隊に所属していて、退役後は株の仲買人や海軍士官学校の教員をやっています。同時に、緊急時にはCIA情報分析官として活動します。原作では、アメリカ大統領にもなってしまうそうです(え!?)。

 

 そんなジャック・ライアンの最たる特徴は、家族を持っていることにあります。他のスパイには恋人こそいても、妻になることはなりません。そのなかで、ジャック・ライアンにはキャシーという妻がいます。一部の作品には、娘も出てきます。なので、ジャック・ライアンはスパイとは言えども、家族を危険にさらすわけにもいきませんし、自分も身勝手に死ぬわけにはいきません。そのことで、彼の行動は他のスパイたちとはまた違った意味を持ってくるのです。

 

 特に、『パトリオット・ゲーム』は家族が事件に巻き込まれることになり、ジャック・ライアンが家族を守ることができるのかという点で、非常に見どころがあります。

 

4.ジャック・ライアンのアクション

 ジャック・ライアンはスパイ専用の訓練を受けているわけではありません。ジェイソン・ボーンほど徹底的に鍛えられた人は稀にしても、たいていのスパイは諜報員としてかなり訓練を受けているようです。しかし、ジャック・ライアンはそもそも分析官であり、諜報員ではありません。よって、スパイの訓練を受けておらず、彼が頼りにするのは海兵隊時代の訓練だけになります。

 

 そのため、イーサン・ハントやジェイソン・ボーンほどの超人的能力も持っていません。007が使うような飛び道具も出てきません。そういう意味では、最も現実味があるスパイと言えるかもしれません。

 

 それでも、彼のアクションはかなり見ごたえがあります。超人的な能力を持たない彼の活躍には、私たちも自然と応援したくなります。

 

5.まとめ

 ジャック・ライアンのことを少しでも知っていただけたでしょうか。現在は、Amazonオリジナルでドラマ『ジャック・ライアン』シーズン1が配信中。すでにシーズン2は製作が始まっていて、シーズン3の製作も決定しています。

 

 アメリカ合衆国と家族のために、全力で駆け回るジャック・ライアン。彼の活躍を一目見てみてはいかがでしょうか。

 

 ちなみに、私が推す一本はやっぱり『パトリオット・ゲーム』。家族を守るというところで、他のスパイ映画にはない魅力があります。また、クライマックスも緊迫感があり見ものです。主役もハリソン・フォードなので、見ないわけにはいかない!

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