無料で映画を配信しているGYAO!はありがたい存在ではあるんですが、ラインナップがかなり玉石混交といった感じ。『ダークナイト』や『アメイジング・スパイダーマン』といった誰もが知っている作品もあれば、マニア向けの『ゾンビ』や北欧版『ミレニアム』があり、さらには誰も知らないようなB級映画もあります。タダならB級映画にも挑戦してみようということで、今回は『T.I.M.-ティムー』です。
あらすじ
ロボットもティムしか友達がいない少年ティルボ。ティムが老朽化により、修理が必要になったため、ティムとともに制作者を探す旅に出る。
制作国:オランダ・デンマーク
※予告編は見つかりませんでした
少年とロボット
ざっくり言ってしまえば、少年とロボットの友情、そして少年の成長を描いた作品になります。『アイアン・ジャイアント』もこんな感じの話じゃなかったでしたっけ(自分は未見)。
話はそれなりに感動的。だって、少年とロボットですもの。出会い、決別、再会みたいな要素も入っています。ただ、結末に関して個人的に言いたいことがあるので、それは次のネタバレ章で書きます。
ロボットは、ASIMOのような二足歩行で頭にモニターが付いたもの(ASIMOの頭はモニターじゃないけど)。人間らしすぎるきらいはありましたが、造形としては愛らしい部類に入ると思います。
旧時代的な結末(ネタバレ)
言ってしまえば、自分はこの結末が嫌い。どう考えても現代的とは言えない。2014年制作なら、もう少しやりようがあったんじゃないかと思うのです。
というのも、最終的に少年はロボットから離れることで、人間との交流をするようになるみたいな感じだったじゃないですか。でも、ロボットのティムは何も悪いことをしていないです。ただロボットだからという理由だけで捨てられるのです。もはや、差別的とも取れる対応じゃないですか。
加えて、自分はこれからの時代はロボットと共存していくべきだと思うんです。もちろんロボットには危険性もあるから、その点に警鐘を鳴らすならもっともなのですが、この映画はそうではない。主人公の少年が人間と上手くやっていけなかったのをロボットのせいにしています。
つまり、このストーリーを書いた人の考えとして、ロボットと人間の友情なんかより、人間同士の友情の方が良いに決まってるじゃないか、というのがあるんでしょうね。それは、あまりにも頭が固い考えだし、時代遅れだと自分は思うのです。人間同士の友情は大事かもしれないが、そのためにロボットとの友情を捨てる必要はないはずです。
総括
映画としては、可もなく不可もなくといったところでしょうか。予算が少ないために、派手なところはありませんが、それなりに少年の成長物語を描けているように思います。ただ、個人的に、結末には大いに疑問が残りました。
それでも、もっとひどいB級映画もざらにありますから、これはましな部類だと思います。こういう類の映画が好きならば、一度観てみても良いのかなと思います。