シアーシャ・ローナンってアクションもやっていたんですね。最近は、若手演技派女優として、ヒューマン系が多かった印象でしたが、結構幅広くやっているようです。
1.あらすじ
フィンランドの森で元CIAエージェントの父に子供のころから戦闘技術を仕込まれたハンナ。ついに街へ出て、宿命の敵と戦う決心をする。(2011年製作)
主演は、『レディ・バード』のシアーシャ・ローナン。このときは、まだ17歳くらいでした。対する敵役に、ケイト・ブランシェット。『アビエイター』(2004年)と『ブルージャスミン』(2013年)で、アカデミー賞を受賞している他、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどにも出演。引く手あまたの名女優です。
2.演技派のアクション
シアーシャ・ローナンは演技派なんです。自分のイメージでは。さすがに17歳ではまだじゃないかと思うかもしれませんが、この4年前には『つぐない』(2007年)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされています。だから、このときから演技はばっちり出来る人だったんです。
そいいう人がやるアクションってどうなのかなと思って見たんですが、良いじゃないですか。彼女は真面目なんでしょう。演技はもちろんちゃんと出来るし、アクションもこの映画のためにかなり練習をしたのだと思います。そんな映画に対する真摯な姿勢が見られました。中でも特に(やはり、というべきか)、見るべきポイントは演技力。そのしっかりとした土台があるからこそ、今回のようなアクション映画でも活躍することができます。
ケイト・ブランシェットは、もはや面白い。CIA職員なのですが、最早ほとんどサイコパス級の悪女です。執念で、ハンナとその父親を執拗に追いかけます。理由はよくわからないけど、怖っ。
3.盛りだくさんのストーリー
本作は、森の中で戦闘訓練をして育った少女が、街に出て、敵と戦うということで、実は見どころがたくさんあります。まずは、ハンナの戦闘。そして、ハンナは物心ついたころから森で生活しているので、文明の利器を知らず、友達もいませんでした。今回の逃亡劇(追跡劇?)の中で、彼女はそういったものと初めて出会うことになります。また、ハンナ自身の過去についても、徐々に明らかにされていきます。
ただ、強いて言うなら、ちょっと詰め込みすぎたかな?どのエピソードもそれなりにきちんと収まってはいるのですが、それでも細々とした矛盾や不明なところなどがややあります。例えば、あの家族のその後とか、ハンナの親のこととか。戦闘に関しても、素人ながら「こうした方が良いのでは?」という点が散見されました。大筋のストーリーとしては、自分は好きで、どんどんストーリーに引き込まれたので、それほど気にはなりませんでしたが。
4.まとめ
シアーシャ・ローナンは、演技派として私の推しなので、近年の彼女の役とはまた違った魅力が見られた本作は、個人的には満足。ストーリーの細かい点には、ツッコミどころも多いですが、それはツッコむなり、軽く受け流すなりしてください。それほど致命的なものはないので、安心してください。
この映画は、例えるなら『ボーン・アイデンティティー』と『ジャングル・ブック』をかけて、ルートをとった感じでしょうか(足して2で割るという表現は月並みすぎるので、相乗平均で例えてみた)。特に、『ボーン』シリーズが好きな方には、ぜひ見てほしいです。
ちなみに、現在Amazon prime videoでは、ドラマ『ハンナ~殺人兵器になった少女』が配信中です。本作のリメイクということなので、本作が気に入った方はぜひ見てみて下さい。ドラマなので、本作よりも色々なエピソードがしっかり描かれていると思います。
シアーシャ・ローナン主演↓