映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

Rotten Tomatoesって何?

Rotten Tomatoes logo

 

 これまで、このブログの中でRotten Tomatoesのデータを用いたりしてきました。これが結構役に立つので、私はよく活用させていただいています。今回はこのRotten Tomatoesについて紹介していきます。

 

 

1.Rotten Tomatoesとは?

 Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)はアメリカ最大の映画レビューサイトです。rotten tomatoesとは「腐ったトマト」という意味なのですが、これはかつて拙い演技に観客が怒ったときに野菜とか果物を役者に投げつけたからだそう。八百屋さんの帰りにでも演劇を見ていたのかなぁ?

 

 このサイトが良いのは、まず評価が非常にわかりやすいこと。0~100までの数字で面白いかどうかという基準のみで評価されます。また、扱っている映画の数が多く、ほぼすべての映画が網羅されています。さらには、テレビドラマやネット配信の映画・ドラマについても掲載されています。

 

 そして一番の利点は、批評家の評価がまとめてみられることです。日本のレビューサイトではあまりこういうものを見かけません。ただ、批評家のレビューを読むのはちょっとかったるいと思いますが、Rotten Tomatoesでは批評家の評価もまとめて一つの数字で見ることができます。つまり、一般人の評価とともに批評家による評価の数字も同じように知ることができます。

 

2.評価システム

 先ほど述べたようにRotten Tomatoesには批評家の評価と一般人の評価の二つが存在します。この評価システムが違うので、分けて説明していきます。

 

(1)批評家の評価

 批評家の評価はtomatometer(トマトメーター)という指標で表されます。この指標は単純で、批評家のレビューのうち肯定的なものが何%だったかを表します。例えば、15人の批評家が面白いと言い、5人がいまいちと言った場合は75%になります。ただし、レビューが5件以上ない場合は数値は出ません。

 

 tomatomaterが60%を超えると、面白い映画ということでflesh(フレッシュな)映画ということになり、60%以下だとrotten(腐った)映画ということになります。なかなかシビアな評価ですね。fleshの場合は赤いトマトのアイコン、rottenの場合は緑のアメーバみたいなアイコンが表示されます。

 

 さらに上の評価でcertifid fresh(保証されたフレッシュ)というものがあります。その条件は、

・安定してtomatomaterが75%以上

・トップの批評家から5件以上の評価がある

・一般公開の映画の場合は、少なくとも80件のレビューがあること

・限定公開の映画の場合は、少なくとも40件のレビューがあること

・テレビ番組の場合は、個々のシーズンがそれぞれ対象となり、少なくとも各20件以上のレビューがあること

これらに加えて、スタッフの審査があるそうです。

 

(2)一般人の評価

 一般人の評価はaudience scoreという指標で表されます。一般の場合は、0~5星までで評価をつけるのですが、このうち3.5以上の評価を付けた人の割合がaudience scoreです。一般の評価はポップコーンで表され、60%以上の場合は満タンのポップコーンで、60%未満の場合は倒れたポップコーンになります。

 

 そして、今年の5月からは本当に映画のチケットを買った人のレビューのみがaudience scoreに反映されるようになりました。これにより、映画を見てもいないのに、誹謗中傷を書き込むようなことがなくなります。日本ではあまり映画レビューにまでヘイトを持ち込む人は少ないですが、アメリカではまあまあいたらしいです。今回の変更により、audience scoreの信頼度はさらに高まったと言えそうです。

 

3.実践編

 ここまでRotten Tomatoesの特徴を紹介してきたので、ここからはその例を紹介していきます。

 

(1)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

 海外のレビューサイトを見る目的の一つは、日本ではまだ公開されていない映画の評判を見ることにあります。そこで、まずは日本では8月30日公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の評判を見てみましょう。この作品は監督がクエンティン・タランティーノで、レオナルド・ディカプリオブラッド・ピットらが出演するということで、かなり豪華です。

 

 Rotten Tomatoesおの評価はtomatomaterが85%で、certified tomatoに認定されています。audience scoreは70%。いずれも高い評価を得ていて、期待が高まりますね。ちなみに、レビューの数が批評家は379、一般が15927ということで日本のサイトとは桁違いに多いです。これもRotten Tomatoesが信頼できる理由の一つです。

 

(2)『トランスモーファー』

 続いてクソ映画がどのように扱われているか確認しましょう。これがちゃんと低評価でないと、信用できませんからね笑。そこで『トランスモーファー』(2007年)で調べてみました。原題もtransmorphersなので、TSUTAYAとかで間違って借りられることを意図しているとしか思えないタイトル。内容はないも同然。それ以上にCGの技術がひどすぎるこの映画をRotten Tomatoesはどう評価するのか。

 

 批評家のレビューが3件しかなく、tomatomaterは出ませんでした。audience scoreは10%。良かった。ちゃんと低評価です。ただ、レビューが1469件もあるというのが驚き。そんなにたくさんの人が見る必要はないぞ。

 

 さらに驚きなのは、批評家の一人が肯定的なレビューを書いていること。レビューを読んでみたのだが、ほとんどけなしている。しかし、最後になって急に良いとか言い出します。ちゃんと座って見ていられるかららしい。観点が独特すぎる笑。

 

4.注意点

 このようにRotten Tomatoesはとても有用なサイトなんですが、注意点もあります。あっ、怪しいサイトとかそういう意味じゃないです。今のところ、そういった問題は起こっていませんし、今後もないと思います。

 

 注意点はtomatomaterとaudience scoreのことです。どちらも一つの数字で表されてわかりやすいのですが、ちょっと単純にしすぎるきらいがあります。何しろすべてのレビューは「良い」か「悪い」の二択で分けられて、一つにまとめられてしまうわけですから。

 

 当然、映画の感想には「アリよりのナシ」とか「ナシよりのアリ」といった微妙なものもありますが、これが考慮されません。その結果、Rotten Tomatoesではやや極端な結果が出る傾向があります。例えば、まあまあ良い映画の場合は皆良い評価をすることがあり、するとtomatometerなどは面白さに似合わず高い数値になることがあります。これだけはちょっと気を付けましょう。

 

5.まとめ

 というわけで、Rotten Tomatoesはとても使えるサイトです。アメリカのサイトなのですべて英語ですが、数字だけ読めるだけでも十分面白いです。批評家の意見が気軽に読めるのも楽しいですね。

 

↓リンクを貼っておきます。

www.rottentomatoes.com