リュック・ベッソンは、アクション映画の方が面白いのですが、本人はSFも結構好きなんだろう。そんなことを思った。
1.あらすじ
西暦2740年、連邦捜査官のヴァレリアンと相棒のローレリーヌは、惑星キリアンで”変換器”を回収する任務を実行する。その後、二人は様々な惑星から住人が集まっている「千の惑星の都市」アルファに戻る。ここで、彼らは惑星ミールの謎に迫ることになる。
監督は、フランスのリュック・ベッソン。代表作は、『グラン・ブルー』(1988年)、『ニキータ』(1990年)、『レオン』(1994年)、『フィフス・エレメント』(1997年)、『LUCY/ルーシー』(2014年)など。大人気フレンチアクションの『TAXi』シリーズでは、脚本・製作を務めています。個人的には、『レオン』とかのカッコイイアクションを撮る監督というイメージです。
2.世界観強し
この映画が好きになれるかどうかは、この世界観が好きになれるかどうかに懸かっています。というのも、本作にはスター・ウォーズ(SW)のように、たくさんの宇宙人や未知の場所が出てきます。SW同様、宇宙人は二本足で歩くものがほとんどです。よく喋る情報屋の3人組は、SWのジャー・ジャー・ビンクスを思い起こさせます(ちなみにアメリカでは、ジャー・ジャーはしゃべり方がうざすぎるキャラとして有名)。
また、その世界の造形も独特。SW的ではあるのですが、よりカラフル。『フィフス・エレメント』に出てくる宇宙を、もっとカラフルで鮮明にした感じです(『フィフス・エレメント』は、ミラ・ジョヴォヴィッチがT.M.Revolution風の衣装を着ている映画)。最新の技術を使っているので、映像はきれい。
自分はどうだったかというと、この世界観は嫌いじゃない。これだけ明るい宇宙を作りだした映画は、久しぶりかも。さすがに、旧SWシリーズともなると1980年代なのでやや古さが感じられてしまいます。その点、本作はきれいなのが好き。キャラクターもSWほどではないにしろ、愛らしいものもいます。最初の砂の惑星に出てくる怪物が宇宙船から落っこちるときにちょっと可愛いので、自分のオシです。
3.ヴァレリアンとローレリーヌ
ヴァレリアンがローレリーヌを事あるごとに口説くというのが、鉄板ネタ。自分は、このヴァレリアンが最後まであんまり好きになれなかったなあ。とりあえず適当に口説いているだけだし、性格もそんなに変わらない。SWだって、主役のルーク・スカイウォーカーよりもハン・ソロの方が人気があるので、SFの主人公はそういう宿命があるのかも。
相棒のローレリーヌは、良い。というか、ローレリーヌを演じるカーラ・デルヴィーニが良い。可愛いし、かっこいい。目の保養になります。ファッションモデルもやられているそうで、納得。演技の方はというと、そこはこれからですね。ヴァレリアン役のデイン・デハーンとともに、頑張ってください。
4.まとめ
本作は、興行的には失敗していて、批評家からの評価も芳しくはないのですが、好きな人もいると思います。現代版スター・ウォーズと見れば、まさにその通り。自分は全然ありだと思います。この世界観は好きです。ただ、ストーリーや演技が弱いのはその通りかも。
この映画は、世界観を楽しむのが正解。あとは、主役のデイン・デハーンとカーラ・デルヴィーニがかっこいいので、嫌な気はしないです。
本格哲学SF↓