映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

映画『はじまりのうた』~良い歌は映画のエッセンス~

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 映画.comのサイトを見たらレイアウトが全然変わっていました。ちょっとびっくり。この新しいレイアウトの方が分かりやすいし、文字も見やすくなっていて自分は新しい方が好き。という余談でした。

 

 今回は『はじまりのうた』(2013年)です。音楽映画ということで、音楽が良い!心洗われるハートウォーミングストーリー!

 

 

1.あらすじ

 恋人とともにイギリスからニューヨークへとやってきたシンガーソングライターのグレタだったが、恋人に裏切られた。ちょうど友人のスティーブに出会い、彼の誘いでバーのステージで歌うことになる。観客のウケはいまいちだったが、そこに居合わせた落ち目の音楽プロデューサーのダンは彼女に可能性を見出す。そして、2人はニューヨークの街中でアルバムを作成することになった。

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 主演はキーラ・ナイトレイ。『パイレーツ・オブ・カリビアン』のヒロイン役で脚光を浴びる一方、『プライドと偏見』(2005年)でアカデミー賞主演女優賞、『イミテーション・ゲーム』(2014年)で助演女優賞にノミネートされるなど、演技面でも評価されています。

 

 ダン役はマーク・ラファロ。『アベンジャーズ』シリーズのハルク/ブルース・バナー役で知られる。一方で、『キッズ・オールライト』(2010年)、『フォックスキャッチャー』(2014年)、『スポットライト 世紀のスクープ』(2015年)で3回もアカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。

 

 本作はアメリカでは最初5館のみで上映されていましたが、口コミが広がり1300館まで拡大。『カメラを止めるな』現象ですね。そもそも、このキーラ・ナイトレイマーク・ラファロが出ていて5館でしか上映されないというのもおかしな話だと思いますが。

 

2.良い歌

 本作は音楽映画なので、まずは音楽が良くなくてはいけません。その点、本作は実に良い。音楽に詳しくないのでよくわからないのですが、ジャンル的にはエド・シーランみたいな。ミュージカルというわけではないので、普通によく聞く洋楽に近い雰囲気です。

 

 本作のまず良いところは、キーラ・ナイトレイがたくさん歌っているところ。ちゃんと本人が歌っています。超絶上手いというわけではないのかもしれないけど、心にすっと入ってくるような歌声が良いですね。

 

 私が一番良いなと思った曲は、実は主人公が歌っているものではなく、彼女を裏切った元カレが歌うLost Stars。この人がやたらと歌が上手いのです。聞き覚えもあるなあと思って調べてみたら、マルーン5のアダム・レヴィーンでした。そりゃ上手いわけだよ。YouTubeでの再生回数が1億回超えてるし。アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされています。リアルに名曲でした。ちなみに、彼は本作が映画初出演です。出演シーンはあまり多くないですが、しっかり歌っているので、マルーン5のファンは必見。

 

3.良いキャラ

 主人公のグレタですが、意外と筋が強くて意見を曲げないんです。音楽は耳で感じるものであるから、歌手の見た目はどうでもいいとか、作った曲のアレンジは絶対嫌とか。それだけ自分の意見を持てるのは、かっこいい。

 

 プロデューサーのダンは最初は典型的なダメ男。娘の面倒をろくに見なかったり、お金がないから飲み逃げしたり。それでも音楽を見る目(聞く耳?)は確かなので、グレタのことを信じてやっていこうと決意する。アルバムを街中でゲリラ的に録音していこうと言ったり、実はアイデアマンです。

 

 スティーブはとにかく良い人。自分はあんまり売れてないけど、全力でグレタの支援をしてあげたりする。彼氏がいないと知っていながら、グレタに迫ることもない。良い人です。本作の雰囲気をぐっと良くしているのは、実は彼の存在かも。

 

4.良い展開(ネタバレ)

 グレタは女性で、ダンは男性ですから、ここはラブストーリーにするのが鉄板。確かに2人はかなり仲が良いようです。しかし、ダンには奥さんと娘がいるので、今回はそういった展開にするのは不自然。ということで、この2人の間にあるのは何なのか。それは「絆」でしょう。互いの境遇を理解しあい、新しいアルバムを作る過程でともに再生していくという。音楽だけに。

 

 だから、そんな2人の再生物語を見ているこっちも良い気分になれる。グレタは無理に元カレと復縁したり、新しい彼氏を作らなかったのもグッド。別に彼氏がいても良いのですが、それは再生という過程において必須要素ではない。それをしっかりと踏まえた展開が上手い。

 

5.まとめ

 『はじまりのうた』は良い映画でした。普通に音楽を聴いているだけでも十分良いのですが、ストーリーもハートウォーミングなもので良かったです。少し元気が欲しい人におすすめ。そして、マルーン5ファンは必見です。

 

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