ドラマ紹介は、久しぶりになってしまいました。今回は、学校の副校長たちの熱いバトルを描いた、HBO制作のコメディドラマ『バイス・プリンシパルズ』です。ネタバレなし(シーズン1第1話に関しては、ネタバレ)。
1.あらすじ
ノース・ジャクソン高校の校長が諸事情で辞めることになり、ずっと校長の座を狙っていた副校長のニール・ギャンビーとリー・ラッセルは浮足立つ。しかし、実際に校長になったのは、二人のどちらでもなく、外部から来たベリンダ・ブラウンだった。そこで、彼らは協力して、彼女を学校から追い出そうとする。
・1話30分 1シーズン9話 全2シーズン
HBOといえば、かつては『セックス・アンド・ザ・シティ』を制作し、近年は『ゲーム・オブ・スローンズ』『トゥルー・ディテクティブ』『ウエストワールド』など、ハイクオリティなドラマを続々と生み出しているケーブルテレビ局です。
2.登場人物
・ニール・ギャンビー
ノース・ジャクソン高校の副校長。堅物で、生徒からも先生からも嫌われている。別居状態の嫁との間に、ジャネットという娘がいて、彼女のことは溺愛している。
・リー・ラッセル
ノース・ジャクソン高校の副校長。先生からは好かれているように見える。お世辞が多く、口だけは達者。しかし、かなりねちっこい性格をしている。
・ベリンダ・ブラウン
ノース・ジャクソン高校の新しい校長。学校運営の実績も多く、かなりのやり手。ギャンビーとラッセルにとっての、手ごわい敵。しかし、家族の方では色々と苦労している模様。
・アマンダ・スノッドグラス
新任の国語教師。社会科教師のビル・ヘイデンと付き合っている。ニール・ギャンビーが一目ぼれをする。
・デイショーン
食堂で働いている人。友人の少ないニール・ギャンビーの唯一と言っても良い理解者。だが、ギャンビーとしては、特にそういう風には思っていない。
・ジャニス・スウィフト
受付係。来客を通したり、書類を整理したりするのが仕事だが、あまり器用にはできない。そのため、いつもギャンビーに叱られている。
・ジェン・アボット
スペイン語の教師。ニール・ギャンビーに好意を持っており、それを隠すつもりもない。
3.キャスト
・ダニー・マクブライド
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』や『エイリアン:コヴェナント』に出演している他、今年公開の『ハロウィン』では脚本に参加していたりします。『バイス・プリンシパルズ』では、ニール・ギャンビー役の他、脚本も担当しています。
タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』『ヘイトフル・エイト』に出演している他、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』『アントマン&ワスプ』では悪役として活躍しています。『バイス・プリンシパルズ』では、リー・ラッセル役。
正直、自分は『エージェント・ウルトラ』や『トゥームレイダー ファースト・ミッション』でのウォルトン・ゴギンズの演技は好きではありませんでした。でも、今回はねちっこさが上手く役にはまっていたので、高評価。
4.学園ドラマ?
タイトルからもわかる通り、このドラマは学校を舞台としているのですが、高校生たちほとんど出てこないんです。副校長は授業を持っていないので、授業を教えるシーンもほとんどなく、生徒は基本的に背景。
その代わりに教師間で学園ドラマが行われています。ギャンビーは気になる女性教師に近づくために、権力を使って、校外学習についていきます。他にも、アメリカの高校生がやりそうなイタズラをブラウンに仕掛けたりと、お前ら大人になれよと思うようなところも多々。
一方で、大人ならではのねちっこさもひどい。これが、高校生のイタズラなんかより、はるかにタチが悪い。ニール・ギャンビーもリー・ラッセルも性格が悪すぎるんです。教師陣も、それほど良い人たちというわけではないし、ベリンダ・ブラウンも被害者に見えて、実はなかなかやっかいなところもあったりして、とにかくろくな奴がいない。
アマンダ・スノッドグラスは、一見まともに見えますが、実際どうなんでしょうね。よく見ると、結構きついことを言ったりしています。恋人選びのセンスも、なかなか独特だと思ってしまうのは自分だけ?
唯一まともなのは、ギャンビーの妻の今カレであるレイ。こいつだけは、しばしばまともなことも言っています。でも、ギャンビーが妻の彼氏を好きなわけもないので、耳を貸しません。そのため、結局まともな人はほとんど出てきません。
5.結局、面白いの?
さすがHBOだけあって、ドラマのクオリティは大したもの。攻めた姿勢でのストーリー展開が冴えています。ただ、このドラマはかなりクセが強い。主役二人がクソ野郎なので、そこで拒絶反応を起こすとキツいかも。徐々に、二人がただのクソ野郎から変わっていくのが、このドラマの主な見所ではあるんですけどね。
主役二人だけじゃなくて、校長のベリンダ・ブラウンや他の先生もかなりクセが強く、毒があります。リー・ラッセルの奥さんの母親の韓国人であるミチャが、またやたらとキャラが濃い。大した役でもないし、何を言ってるかわからないけど、印象が強すぎるんだよ(笑) そんな端から端まで濃厚ソースのようなドラマです。
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