ディズニードラマをご覧になったことはありますか?基本的に、ティーンエイジャーが主人公で、学園もののシチュエーションコメディです。NHKでも少しやっていますが、BSのDlifeでは常に5本ぐらいやっています。
そんなディズニードラマの中で、私のイチ押しが『ガール・ミーツ・ワールド』。かつては、Dlifeでも放送されていました。今は、ディズニー・チャンネルで放送されています。ディズニー・デラックスでも配信されているのかな?
↓ 2021年現在『ガール・ミーツ・ワールド』はディズニープラスで独占配信中
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1.あらすじ
ライリーとマヤの親友同士の物語を軸に、彼女たちや友人・家族の成長を、ユーモアを交えながら描く。
一話約25分 全72話
このドラマは、1993年から2000年に放送されていた『ボーイ・ミーツ・ワールド』というドラマのスピンオフになります。『ボーイ・ミーツ・ワールド』の主人公コーリー・マシューズの娘ライリー・マシューズが、『ガール・ミーツ・ワールド』の主人公です。スピンオフ作品ですが、元の作品を観ていなくても全く問題ありません(私も観ていません)。
2.登場人物
・ライリー・マシューズ
長身でお茶目な女の子。友達思いで、家族思いでもある。特に、弟のオーギーを溺愛している。親友のマヤと、いつも窓辺で話している。
・マヤ・ハート
ライリーの親友。ライリーと比べると、背が低い。大胆で、クールなイメージがある。親は離婚している。絵の才能がある。
・ルーカス・フライヤー
テキサスからやってきたイケメン転校生。ライリーは、彼に一目ぼれする。マヤには、いつも"Ha-haa-"と言われて、顔を近づけられるのがお決まり。真面目キャラ。
・ファークル・ミンカス
勉強好きのオタク。ライリーかマヤのどちらかと、いずれ結婚したいと公言している。初期は奇行が目立ったが、ある事件をきっかけに、後半では性格がガラッと変わる。
・コーリー・マシューズ
ライリーの父親であると同時に、ライリーたちの学校で歴史を教えている。おっちょこちょいなところもあるが、非常に生徒思い。家庭内では、嫁のトパンガの立場の方が上。それでも、嫁思いである。
・ジョージ・フィーニー
登場回数は少ないが、ちょくちょくコーリーの前に現れて、ありがたいお言葉を述べる。『ボーイ・ミーツ・ワールド』では、コーリーやトパンガの先生だった。コーリーがお手本としている先生である。
3.People Change People
このドラマの表テーマは、People change people(人が人を変える)。この言葉は、コーリーがSecret of life(人生の秘訣)として、事あるごとに言っている言葉です。
ライリーとマヤは、家族や友人だけでなく、様々な人物に出会います。一人でマヤを育て上げた母親や、地下鉄の駅にいつもいる人などなど様々な背景を持ち、行動している人たちに出会います。
でも、出会う人たちがすべて良い人とは限りません。そういった人々との出会いも含めて、彼女たちは成長していきます。
4.アイデンティティの問題(ネタバレ)
でも、私がこのドラマの本当のテーマだと思っているのは、アイデンティティの問題です。エリクソンに倣うなら、このぐらいの年齢は「アイデンティティ拡散の危機」という時期に当たるわけですが、とにかく自己が不安定な時期なのです。
以下、この章の終わりまでネタバレを含みます。
最初にアイデンティティの問題にぶち当たるのは、ファークル。観た人はわかると思いますが、イジメ事件の後に、ファークルの性格が一変します。それまでのエキセントリックな雰囲気から、かなり大人しくなりました。彼が、イジメによってアイデンティティを崩された末に下した決断というのが、自分の方を変えるというものだったのです。
ドラマの展開的には、結構意外。一番のボケ役が、ここで大人しくなってしまいます。他のディズニードラマでは、絶対にこんなことはしません。それも、半ばイジメに屈するという形で。この性格がどこかで元の戻るかと思ったら、ずっとそのままなんですよ。人が人を変えるというのは、必ずしも良い方向でということでないかもしれませんが、事実ではあります。
そして、一番大事なのが、ライリーとマヤのアイデンティティの問題。このテーマは、ドラマで何回も扱われています。当初は、ライリーがマヤに憧れて暴走しがちでした(第1話からして、そういう話です)。でも、ここは大体ライリー自身が、自分はそういう人間ではないということを理解して解消していきます。
実際にはるかに深刻だったのは、マヤの方です。実はマヤが、徐々に、しかし確実に、ライリーの方に寄って行っていたことが明らかになります。そして、最終的にはこれが永遠に続くと思われたライリー、マヤ、ルーカスの三角関係を解決することになるのです。
この三角関係の解決方法が、自分は非常に面白いなあと思ったんです。あ、そんな解決の仕方があるんだと唸りましたね。簡単にいうなら、マヤがライリーに憧れすぎていて、マヤの一部分がライリーになってしまい、そのライリーの部分がルーカスを好きだったというわけです。つまり、本来のマヤがルーカスのことを特別好きなわけではなかったということです。
恋愛関係のごたごたに見せかけて、実はアイデンティティの問題に帰着されるという展開は、非常に関心してしまいました。それまでの伏線も回収されたような感じで上手いと思います。
しかし、さすがにマヤがルーカスに対して恋心を持っていなかったと考えるのは不自然すぎる、という意見もあるかもしれません。まあ、そこまでのエピソードを観ていれば、それはそう思います(自分もそう思う)。でも、三角関係の解消という問題を別の問題に帰着させて解決するという、この方法は画期的だと思うわけです。それが、ベストかどうかは置いておいて。
5.キャストー若手スターたちー
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ライリーを演じているのは、ローワン・ブランチャード。国連で性の平等についてスピーチをしたこともあるとか。ちなみに、インスタのアイコンは『風の谷のナウシカ』。
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マヤを演じているのは、サブリナ・カーペンター。歌手としても活躍しています。今は、ディズニーアニメ『マイロ・マーフィーの法則』で、メインキャストの一人メリッサの声もやっています。いずれも、才色兼備といった感じの女性ですね。
ところで、『ガール・ミーツ・ワールド』は3年ぐらい前のドラマなので、彼女たちのインスタを見ると、結構印象が違うんですよね。年頃でもあるし、仕方ないんですけどね。特に、ローワン・ブランチャードの方はファッションがちょっと独特で、澄ました顔をしていることが多い。個人的には、あの能天気な感じの顔が好きだったんだけどな。今でも作品の中では、その表情を見られるのかな?
6.まとめ
『ガール・ミーツ・ワールド』は、とにかく本当におすすめ。そもそも笑えるから気軽に見られるし、そのくせジーンとくる胸アツ展開が待っています。そして、第4章で書いたように、ずっとシリーズを観ていると、結構意外な展開が待っています。キーワードは「アイデンティティ」。
小学生や中学生、高校生の方にはぜひとも観てほしいのですが(道徳の時間には、これを流した方がよっぽどましだと思ったりする)、大人の方も楽しめます。ただ、日本語吹き替えがちょっと気になるなと思ったら、英語にしましょう。平易でスラングも少ないので、英語学習にも最適です。楽しみながら、英語も自然と学べるって最高じゃないですか。
↓サブリナ・カーペンター主演Netflix映画
↓『リブとマディ』の人はこっち