映画の並木道

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映画『ゾンビ・ガール』~ラブコメとして◎~

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※画像はイメージです

 

 これは本当にゾンビ映画なのか⁉ あなたのゾンビに対する常識を覆す、超絶ラブコメ・ゾンビ・ムービー!

 

 

1.あらすじ

 ホラー映画好きの青年マックスは、エコ好きで完全菜食主義者の美女エブリンと付き合っていた。しかし、エブリンの束縛に我慢できなくなったマックスは、彼女に別れを切り出そうとする。だが、その直前にエブリンは交通事故で死亡。悲しむマックスだったが、その後同じホラー好きの美女オリビアに出会う。そんな矢先、なんとエブリンが生き返って戻ってきた!(2015年公開)

 

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 監督は、『グレムリン』(1984年)、『グレムリン2 新・種・誕・生』(1990年)のジョー・ダンテ。『ゾンビ・ガール』を観ているとわかるのですが、この人は昔のB級ホラーが大好物なんですね。ロメロぐらいは自分も知っていますが、他はまったくお手上げです。

 

2.キャスト

 主人公のマックス役で、アントン・イェルチン。ロシア出身の俳優で、『スター・トレック』(2009年)のチェコフ役で一躍ヒット。その後、続編の『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013年)、『スタートレック BEYOND』(2016年)や、恋愛映画『今日、キミに会えたら』(2011年)などに出演していました。しかし、2016年に自動車事故により、27歳の若さで亡くなってしまいました。

 

 そんなアントン君ですが、『ゾンビ・ガール』を含めて思うのが、とても演じる幅が広い。『スター・トレック』のときは、エンタープライズ号の新人として元気なクルーを演じ、『今日、キミに会えたら』ではイケメンの魅力をいかんなく発揮。かと思えば、『ゾンビ・ガール』では、弱気なオタク男子を演じています。どれが本当の彼だったんだろう?

 

 エブリン役は、『トワイライト』シリーズにも出演していたアシュリー・グリーン。オリビア役は、『カリフォルニア・ダウン』(2015年)、『ベイ・ウォッチ』(2017年)などに出演したアレクサンドラ・ダダリオ。この二人の美女のどちらかを、次の記事では詳しく取り上げています。

 

3.これはゾンビか?

 今回のゾンビは、普通に喋ります。普通に歩きます。そして、あんまり人を食べないです。だから、ゾンビというか、ただ死んだ人が生き返っただけ(それをゾンビというのか)。ゾンビゾンビしていない。だから、いつものようにゾンビが大挙して押し寄せてくることはなく、敵はエブリン・ゾンビ一人だけです。とは言っても、彼女は人間を食べたいわけではなく、ただマックスとセックスをしたいだけなので、本当にただの面倒な彼女みたいな感じです。

 

 細かいことですが、少し気になったのが、魔法の人形が出てくるところ。ここは、正直マジかと思いました。今どきの映画で、魔法の人形を出してくるのはほとんど見たことがない。『チャイルド・プレイ』のチャッキーのように、呪われた人形自体を主役にメインにした映画は今もありますが、きっかけ作りのためだけの人形は『ビッグ』(1988年)以来の気がします(『ビッグ』では、謎の占い人形のせいで子供の主人公は大人になった)。

 

4.スケール小さっ(笑)

 『ゾンビ・ガール』は、とにかくスケールが小さい。登場するのは、マックス、エブリン、オリビア、そしてマックスと半分だけ兄弟のトラビスのみ。しかも、この中の一人がゾンビ。話も、マックスがエブリンと別れられなくて困っているだけ。

 

 でも、面白い!ゾンビ映画らしいアクションはあまりないですが、ラブコメ風の笑いがたくさんありました。とりあえず笑えたので満足。二人の美女も見られたし。楽しければ、それはそれでOK

 

 ところで、終始エブリンを煙たがっているマックスですが、これほど邪険に扱われているエブリンを見ていると、可哀そうにも思えてきます。彼女の言う通り、わざわざ墓から蘇ってくれたのだから、多少は応えてあげるべき……?でも、死んでるしなあ。オリビアと早々にくっついてしまったマックスにも責任はある。

 

5.まとめ

 『ゾンビ・ガール』はラブコメとして観れば、それなりに面白かったです。ただ、ゾンビ映画として観ると拍子抜けするので、それは期待しない方が良いでしょう。何にも考えずに観て、存分に楽しめる一作でした。

 

 そういえば、このブログでゾンビ映画を扱うのは、『ゾンビ・ガール』が5本目になります。まだ、ブログを始めてから数か月しか経ってないのに。でも、まだ”ゾンビ映画の巨匠”ことロメロ大先生に挨拶できていないんですよ。自分も、マックスやオリビアのように『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968年)を墓地で観ようかなあ。

 

 ゾンビ × ミュージカル ⁉ ↓ 

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