映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

2010年代最高の主題歌8選

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 2010年代もそろそろ終わり。そこで、ここを一つの区切りとして、この10年間の映画を振り返っていきましょう。前回は、サウンドトラックに注目してみたのですが、今回は主題歌の方に注目して振り返ってみます。

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 そんなわけで、まとめていこうと思うわけですが、自分がディズニー映画をほとんど観られていないので、ディズニーの主題歌がごっそり抜けてしまいました。Let It GoもRemember Meもなしです。申し訳ない。まあ、ディズニーの主題歌が良いのは皆知ってますよね?そして、今回は既存の曲(『レ・ミゼラブル』や『ボヘミアン・ラプソディ』)はなしとし、映画のために作られた曲のみを対象としました。

 

 

1.Skyfall 『007 スカイフォール』

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 『007』シリーズの主題歌って、いつの時代も最高なんですよね。初期のFrom Russia with LoveやGoldfingerはもちろん名曲。主題歌がロックになってからの、ポール・マッカートニーのLive and Let Dieや、デュラン・デュランのA View to a Killも最高。

 

 そして、近年最高の主題歌がアデルのSkyfall。曲としては、初期の力強く歌い上げるものになり、これがまた映画の原点回帰というテーマとリンクしているんですよね。アデルの歌唱力は言うまでもないところで、実に名曲なのです。

 

 この次の『007 スペクター』でサム・スミスが歌ったWriting's On The Wallも系統としては、初期007の主題歌に近く、見事にサム・スミスが歌いあげています。こちらも名曲。

 

2.Lost Stars 『はじまりのうた』

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 現代の映画監督で、音楽の使い方が上手い人といえば忘れてはならないのが、ジョン・カーニー。『ONCE ダブリンの街角で』も音楽が非常に良かったですし、『シング・ストリート 未来へのうた』も評判が良いですよね(こちらは未見)。

 

 そんなジョン・カーニーの作品に『はじまりのうた』で参加したのが、マルーン5のボーカルのアダム・レヴィーン。彼は、映画にも出演して、Lost Starsなどの歌を披露しているのですが、もちろんめちゃくちゃ上手いです。

 

 でも、自分がもっと評価したいのはキーラ・ナイトレイの歌声。良いじゃないですか。音楽のプロでもないし、ミュージカルもあんまりやっていない印象ですが、実に素敵な歌声を披露してくれています。『はじまりのうた』のサウンドトラックは、他にも良い曲が多いので、おすすめ。

 

3.Flashlight 『ピッチ・パーフェクト2』

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 これまでほとんど触れられることのなかった、アカペラを扱った映画『ピッチ・パーフェクト』。ただでさえ、ミュージカルは難しいのに、アカペラですからね。それを見事にやってのけたのは、凄い。それも、メインとなるバーデン・ベラーズだけじゃなくて、ライバルのトレブルメーカーズとかもめちゃくちゃ上手いんですよ。

 

 そこで選ばせてもらったのは、『2』のFlashlight。歌としては、『2』の方が良いと思うんですよね。『1』でアナ・ケンドリックが披露するCupsも良かったですけどね。でも、アカペラという強みを生かした曲ならこれかな(貼った動画はアカペラじゃないですが)。

 

 この曲の良いところの一つが、色んな人が歌っているところ。そもそもこの曲は、ヘイリー・スタインフェルド演じる人が作った曲ということなので、メインで歌うのは、彼女。加えて、アナ・ケンドリックも歌っています。そして、実際にはジェシー・Jの曲なので、彼女も歌っています。豪華。

 

4.Audition 『ラ・ラ・ランド』

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 2010年代の主題歌特集をやっていて、この映画を外すわけにはいきません。映画としても傑作であるだけでなく、歌も傑作なのですから。これは、一つにジャズオタクの監督デミアン・チャゼルのおかげ。そのセンスを遺憾なく発揮しています。

 

 『ラ・ラ・ランド』の曲で、アカデミー賞を取ったのはCity of Starsの方なのですが、個人的にはAuditionの方が好き。エマ・ストーン演じるミアが、最後のオーディションのシーンで歌う曲なのですが、このメッセージが良いですよね。「たとえ、まぬけだと言われても、おばあちゃんは何度も挑戦した」っていう内容が、ミアの状況と重なっていて、すごく感動的なんです。

 

 もちろん、City of Starsもラ・ラ・ランド(ロサンゼルス)という街を見事に表現している曲ですし、映画冒頭のAnother Day of Sunには一気に心が持っていかれます。劇中では、白い目を向けられるジョン・レジェンドのStart a Fireも、実は良い曲だったりします。

 

5.The Greatest Show 『グレイテスト・ショーマン』

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 現代の俳優で、一番ミュージカルが上手いのってだ~れ?と聞かれたら、それはヒュー・ジャックマンだよと答えてあげましょう。ミュージカルの名作『レ・ミゼラブル』での歌声は素晴らしかったのは、周知の通りかもしれませんが、実は彼はブロードウェイのアカデミー賞と言われるトニー賞も受賞しているんです。もう文句なし。

 

 彼が主演したミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』ですが、そのタイトルに相応しく、非常に見ごたえのあるパフォーマンスが披露されていました。自分は、冒頭のThe Greatest Showでヒュー・ジャックマンに完全にやられてしまったので、この曲をチョイス。

 

 映画のテーマとリンクしているという点では、キアラ・セトラが力強く歌い上げるThis is Meも、ものすごく良かった。そして、パフォーマンスとしては、ゼンデイヤとザック・エフロンの空中デュエットが、忘れられないです。

 

6.Bali Bali Baahubali 『バーフバリ 王の凱旋』

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 インド映画は歌って踊るというのが鉄板であるだけに、音楽も素晴らしいものが多いです。邦楽や洋楽とはまた違った、インドの音楽は、とても印象的で耳に残ります。日本でもヒットした『きっと、うまくいく』のAal Izz Well(うまくいく)という曲は、この映画を象徴するテーマもある一方、非常にポップで親しみやすい曲です。

 

 でも、これでもかというぐらいインド映画の真骨頂を見せつけられた『バーフバリ』には、もっとすごい曲があります。Bali Bali Baahubaliですね(笑)。『バーフバリ』を観た人は一人残らず、この曲を聞くと、バーフバリがやってきたことがわかり、両手を挙げてジャイホー!と叫びます。

 

 『バーフバリ』の記事で、この映画を観るとバーフバリを称えたくなると書きましたが、その一因がこの音楽。「バリバリバリ バーフバリ⤴」と繰り返されたら、そりゃ称えたくもなります。他にも、マヒシュマティ王国は強いんだぞという曲なんかもあって、音楽だけで飽きさせません。

 

7.All The Stars 『ブラックパンサー』

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 2010年代と言えば、スーパーヒーロー。それほどに、ヒーロー映画が流行った時代ではあるのですが、主題歌となると印象は薄いかも。でも、『ブラックパンサー』だけは別。『ブラックパンサー』の主題歌All The Starsは、近年の映画主題歌の中でも、最も人気があるものの一つです。

 

 登場人物やスタッフがほぼ全員アフリカ系というのも特徴的であった『ブラックパンサー』ですが、主題歌もアフリカ系のケンドリック・ラマーとSZAが歌っています。2010年代を象徴する映画と主題歌であると言えるのではないでしょうか。

 

8.Turning My Life Around 『アナと世界の終わり』

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 今年の映画から一曲選ぶなら、ダントツでこれを推します。『アナと世界の終わり』は、ミュージカル×学園×ゾンビというジャンルに属する唯一の作品。要は、歌を歌いながらゾンビを倒していく話なのですが、この歌が最高なんですよ。自分はドはまりしました。

 

 このTurning My Life Aroundは、アナとジョンが登校するときに聴いて、踊っている曲です。しかし、アナの後ろではゾンビたちが大暴れしているんだけど、アナは曲に夢中で気づかなくって、というシーンでとても面白いのです。曲の内容は、ほとんどゾンビと関係ないんだけど、とにかくアガる曲です。

 

 他にも、学園ドラマパートでかかるHollywood Endingもノリノリだし、絶望的な状況でのHuman Voiceも印象的。何にしろ、主演のエラ・ハントがカッコいいし可愛いので、最高なのです。

 

2010年代の映画主題歌とは?

 最近は、主題歌を作る映画が少なくなってきているように感じます。そんな中でも、常に最高の主題歌を作り続けてくれる007シリーズには感謝。そして、音楽の使い方が上手いデミアン・チャゼルとジョン・カーニー監督には、今後も注目していきたいところ。また、インド映画では、素敵な主題歌を使っている映画がまだたくさん作られているので、こちらの方にも目を向けていきたいですね。