映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

映画『セブン・シスターズ』~設定を生かした巧みな作品~

f:id:presbr:20191130135340j:plain

 ときには、人に勧められた作品も見てみよう。結構、面白いことがあるから。そう思ったのは、自分はこの『セブン・シスターズ』という作品を全く知らなかったのですが、YouTubeTwitterで紹介されているので知りました。実際に観てみると、これがとても面白い。いやあ、映画って本当にいいもんですね。

 

 

1.あらすじ

 近未来、深刻な人口問題を解消するため、ヨーロッパ連邦では一人っ子政策が行われていた。そんな中、7つ子として生まれた月曜、火曜、…日曜は、カレン・セットマンという一人の人物として、日替わりで社会に出ていた。しかし、月曜が失踪したことで、この計画は狂い始める。

 

www.youtube.com

 

 主演は、スウェーデン出身のノオミ・ラパススウェーデンの『ミレニアム』シリーズや『プロメテウス』では主演を務めています。彼女は、今回は一人七役を演じています。この七人が、またカレン・セットマンという一人の人物を演じているんですけどね。

 

2.設定の妙

 まず、設定がとても面白いですよね。そりゃ、現実にはありえないでしょうけど、それができるのが映画の良いところです。実は、この設定がまるっきり初めて知ったというわけでもないんですが、7人というのはなかったですね。

 

 この設定の使い方が上手いんですよね。一人が失踪してしまったから、その捜索をするために、別の一人を外に出さざるを得なくなるんですが、そうすると外にはカレン・セットマンという人物が2人いることになります。これがバレないかと、とても冷や冷やさせられます。

 

 前半は、特にそういった「本当は一人の人物ではない、ということがバレるんじゃないか」という緊張感が物語を引っ張っていきます。

 

3.アクションもすごいぞ(ネタバレ)

 実は、アクションもかなりハード。ノオミ・ラパスがバリバリのアクションを披露しています。銃を持った戦闘員を相手に戦い、街中を駆け回ります。特に、自分たちのアパートに敵がやってきたとき戦いが、ナイス。月曜の恋人の家での戦闘も素晴らしい。

 

 クライマックスは、カレン・セットマンVSカレン・セットマンの対決。実際には、月曜VS火曜なんですが、ここもかなりハード。

 

 そして、その後のシーンがまた上手い。カレン・セットマンが、発表会場みたいなところに戻るじゃないですか。このときに、観ている人は、その人物が月曜か火曜かがわからないんですよね。つまり、その直前の戦闘の結果を、観客はしばらく知ることができない状態になります。これこそ、設定の妙と言えるところで、非常に上手いシーンになっています。

 

 ノオミ・ラパスの演技について言っておくならば、正直それほど7人の演じ分けがされているようにはあまり感じなかったです。尺の関係で、7人全員にフォーカスすることが難しいので、そこは仕方ないのかなとも思います。ノオミさんは、ハードなアクションもこなしていたので、今回はそれで十分です。

 

セブン・シスターズ スペシャル・プライス【Blu-ray】 [ ノオミ・ラパス ]

 

4.まとめ

 『セブン・シスターズ』、非常に面白かった。設定を上手く生かしたストーリーとシーン作り、そしてハードなアクションもあって、全く退屈させません。人口問題という、リアルな問題も扱っていて、一人っ子政策とか実際にやりそう(日本ではなさそうだけど)なので、近未来の描写としてもリアリティがあって良かったのかなと思います。