映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

空也の2019年旧作映画&ドラマランキング

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 2019年もいよいよ終わるということで、一年の総まとめをしていきたいところです。そこで、まずは自分が2019年に観た映画・ドラマからベストを選んでみたいと思います。今年公開された映画はまた別でやるので、今回はいわゆる旧作のみを対象です。

 

 このブログを始めたのが今年の7月からであり、それ以前に観た映画をあまり覚えていないため、ほとんどが下半期に観た映画の評価になります。個人的に、上半期は忙しかったため、あまり映画を観られなかったということもあるので、お察しください。なお、このブログで記事を書いた作品については、その作品名のところにリンクが貼ってあるので、各作品の詳しい内容や感想はそちらをお読みください。

 

 

部門別

技術部門

・ベスト・シーン賞 エレベーターが一斉に開くあのシーン『キャビン

・主題歌賞 Lost Stars 『はじまりのうた

・視覚効果賞 『プロメテウス

・音響効果賞 ドラマ『ウエストワールド

・デザイン賞 『教授のおかしな妄想殺人

脚本賞 『メメント

 

 ベスト・シーンは、『キャビン』のあのシーン。ネタバレになるから詳しくは言えないけど、グロすぎて最高!主題歌賞は『はじまりのうた』で、アダム・レヴィーンキーラ・ナイトレイがそれぞれ歌っていたLost Stars。数日間、『はじまりのうた』のサントラばかり聴いていました。

 

 『ウエストワールド』は、アンドロイドたちが働いている西部時代をモチーフにしたテーマパークが舞台。壮大なスケールや、西部時代とアンドロイドというSF要素の入り交じったコンセプトといったものを、見事に演出している音楽でした。ウディ・アレンはオシャレな映画監督であり、『教授のおかしな妄想殺人』もまたオシャレな作品。時間が逆行するという、前代未聞のことをやり遂げた『メメント』は、文句なしの脚本賞

 

ジャンル別

・アクション部門 『バーフバリ 王の凱旋

・ゾンビ部門 『ゾンビランド

・コメディ部門 『ナイスガイズ!

古典部門 『地球の静止する日

・サスペンス部門 『バッド・ジーニアス 危険な天才たち

・ミステリー部門 『特捜部Q キジ殺し

・ホラー部門 『モールス

・胸クソ賞 『偽りなき者

・ほっこり賞 『アバウト・タイム~愛おしい時間について~

・痛快賞 『キャビン

コスパ賞 『ink

・最強キャラクター賞 アマレンドラ&マヘンドラ・バーフバリ 『バーフバリ』

・ベスト・コンボ賞 ホランド・マーチ&ジャクソン・ヒーリー&ホーリー・マーチ『ナイスガイズ!』

 

 『バーフバリ』の異次元アクションには圧倒され、『ゾンビランド』はとにかく楽しかった。古典映画だが、強いメッセージをSFに持ち込んだ『地球の静止する日』は上手い。『バッド・ジーニアス』は、史上最強にサスペンスな体験をさせてくれる傑作。北欧ミステリー『特捜部Q キジ殺し』は、犯人像に強く心打たれました。

 

 子どもの無邪気な発言から生じた冤罪を扱った『偽りなき者』は、全編を通して胸クソな展開が続きます。しかし、それが現実に起こりうると考えると、さらに気分が悪くなってきます(褒めています)。『アバウト・タイム』はその真逆で、気分が悪くなるすべての要素を取り除いた優しい映画でした。低予算ながらも、キャラクターとストーリーに工夫が見られた『ink』は、コスパが良い。バーフバリ親子が、最強なのは当然。『ナイスガイズ!』は、3人組がちぐはぐながらも上手くやっていっていたのが、観ていてとても楽しかった。

 

演技&監督賞

・主演男優賞 トム・ハーディ 『レジェンド 狂気の美学

・主演女優賞 サリー・ホーキンス 『シェイプ・オブ・ウォーター

助演男優賞 マイケル・ファスペンダー 『エイリアン:コヴェナント

助演女優賞 スカーレット・ヨハンソン 『マッチポイント

・新人賞 トーマス・ミドルディッチ ドラマ『シリコンバレー

・監督賞 ギレルモ・デル・トロ 『シェイプ・オブ・ウォーター

 

 『レジェンド』で、兄弟のマフィアを一人二役で演じたトム・ハーディが主演男優賞。容姿は似ているものの、考えていることは同じだったり違ったりするのを、上手く演じ分けていました。『シェイプ・オブ・ウォーター』で、半魚人に恋する発話障害の女性を演じたサリー・ホーキンスの演技は、繊細でとても良かった。『エイリアン:コヴェナント』で、頼りになると同時に、怖い存在でもあるアンドロイドを演じたマイケル・ファスペンダー。実は、アンドロイドなのではないかと半分信じています。『マッチポイント』のスカーレット・ヨハンソンは、アベンジャーズのときとは違う大人の魅力がありました。

 

 IT業界を描いたドラマ『シリコンバレー』で、主人公のITオタクを演じたトーマス・ミドルディッチは新人賞。個人的にジェシー・アイゼンバーグの後継だと思っていたら、『ゾンビランド:ダブルタップ』で早速共演していたのも嬉しかった。『シェイプ・オブ・ウォーター』は、半魚人の物語ではありますが、深緑色を基調として美しく描いてみせたデル・トロはさすが。私からも監督賞を贈呈します。

 

総合ランキング

映画部門

シヴァ神 『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』

第1位 『レディ・バード

第2位 『シェイプ・オブ・ウォーター

第3位 『モールス』

第4位 『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

第5位 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

第6位 『はじまりのうた』

第7位 『メメント

第8位 『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ

第9位 『グラン・トリノ

第10位 『ナイスガイズ!』

次点 『ゾンビランド

 

 『バーフバリ』の前では、どんな映画もひれ伏してしまいます。それでは他の映画に申し訳ないので、別枠でシヴァ神です(笑) そして、栄えある第1位は、『レディ・バード』。自分もちょうど一人暮らしを初めて、運転免許取ったところだったので、どストライクで感動しました。これからも、人生の節目ごとに見返したい大切な作品です。

 

 『シェイプ・オブ・ウォーター』は、社会の中で孤立してしまう人々を、非現実的な設定ではあるにも関わらず、丁寧に美しく描いた作品でした。アカデミー賞を獲っているだけのことはある傑作。『モールス』は、事前情報を全く入れずに観たら、大当たり。一般的にはスウェーデン版の『ぼくのエリ』の方が評価が高いようですが、まだ観ていないし、『モールス』もクロエちゃんの演技が良かったので3位。

 

 『バッド・ジーニアス』は、先日観たばかりで、その興奮が忘れられずそのまま第4位。これほどサスペンスフルな映画は他に観たことがありません。社会問題が上手く取り入れられていたのも良かった。『インフィニティ・ウォー』を観たのが今年かよというツッコミもありそうですが、とにかく今年の5位です。大量の個性的なキャラクターたちを絶妙に配置し、ヒーロー映画史上類を見ない結末を迎えたところに、非常に興奮しました。

 

 『はじまりのうた』は、歌よし、ストーリーよしという良作。『メメント』は、もちろんその超絶プロットも見ものなのだが、そのプロットを生かして主人公の孤独さを効果的に表現している点も素晴らしかった。『ビッグ・シック』は、小さな作品ではあるが、ユーモアとシリアスが絶妙に融合された秀作でした。

 

 第9位は、『グラン・トリノ』。最初は「何だこのじいさんは(怒)」と思っていたのに、最後にはめちゃくちゃカッコよく見えて、そのギャップに完全に心を持っていかれました。『ナイスガイズ!』は、ライアン・ゴズリングのコメディ演技が冴えています。次点ですが、豪華キャストが集まってしまった『ゾンビランド』は、とにかく痛快な作品でした。すべてのゾンビ映画がこうであれば良いのに……。

 

ドラマ部門

第1位 『シリコンバレー

第2位 『フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル

第3位 『ザ・ボーイズ

 

 栄えある第1位は、HBOのコメディドラマ『シリコンバレー』。笑えるところも存分にありながら、シリコンバレーで起業するときの困難や成功したときの喜びなども描かれていて、どんどんはまっていきました。例えるなら、『ソーシャル・ネットワーク』×『ビッグ・バン・セオリー』といったところで、その両方の面で共に楽しめた傑作でした。

 

 イギリスの推理ドラマ『フーディーニ&ドイル』は、シーズン1で打ち切られてしまっているのですが、個人的には好きなドラマ。これでもかという怪奇現象を見せた後に、ちゃんとその謎がロジックで解き明かされるので、スッキリします。毎度のように繰り返されるフーディーニとドイルの掛け合いにも注目。

 

 Amazon制作の『ザ・ボーイズ』は、巷でもかなり話題になっている様子。スーパーヒーローたちが実はクソ野郎だったという設定から面白いし、それをヴァイオレンス満載で描いたのも高ポイント。

 

 ちなみに、『リミットレス』シーズン1を途中まで観ていて、かなり面白かったのですが、近所のTSUTAYA閉店によりシーズン1を見終わっていません。見終わっていれば、このランキングに入ってくる可能性も十分ありました。TSUTAYA閉店するなよ!

 

惜しくも選外

・『セブン・シスターズ』:斬新な設定を生かしていて、サスペンス・アクション共によく出来ていました。

・『ゾンビ』:もっと暗いのかと思っていたのですが、意外と70年代アクションの傾向があって、楽しめました。ゴブリンの曲も良かった。

・『第三の男』:不朽の名作と言われるだけあって、映画としてとても上手い。

・『チェイス!』:やっぱりインド映画は面白い。アーミル・カーンは濃い。

・ドラマ『バイス・プリンシパルズ』:これは毒である。毒だらけの学園ドラマだ。

クメイル・ナンジアニ:『シリコンバレー』出演、『ビッグ・シック』脚本・主演。来年にはマーベルの『エターナルズ』に出演するので、こちらにも期待。

・エリン・モリアーティ:『ザ・ボーイズ』で、唯一心休まるヒーローのスターライトを演じていました。可愛い。

 

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