こういう映画が一番落ち着く。『トゥルーマン・ショー』(1998年)はコミカルで、ストーリーも面白い。こういうのは結構好きです。
1.あらすじ
順調だが、平凡な毎日を送るトゥルーマン・バーバンク。実は、彼の人生は世界中にテレビ中継されていた!そのことをしらないトゥルーマンだったが、やがて自分が住んでいる世界に違和感を持ち始め、外の世界へ行きたいと思い始める……。
主演は『マスク』(1994年)などのコメディを得意とするジム・キャリー。この人の特徴は、とにかく顔がよく動くこと。端的に言えば顔芸なのですが、ネタ以外でも顔がよく動く。それが最もよく表れているのが『マスク』。本作でも顔芸ではないですが、やや大げさと思えるほどの表情がよく見られます。それが適度にコミカルな雰囲気を出しています。
監督はピーター・ウィアー。『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985年)や『いまを生きる』(1989年)などを監督しています。『いまを生きる』は私は大好きです。全体的に人間のことを、ユーモアを交えて温かく描く特徴があります。
2.設定が面白い
ある一人の人生が生まれた瞬間からずっとテレビ中継される。そのために町を作り、町全体を巨大なドームで覆ってしまい、大勢の役者やエキストラを用意する。普通ならそんなことはありえないわけです。でも、もしかしたら……とか思ったことないですか?自分の行動は逐一観察されているとか。あんまりこの考えに取りつかれると、一種の精神病になってしまうのですが、そういうことを考えることはたまにあります。
もし、実際にそういう人生を送っていたらどうなるのかというのが本作。でも本当にいたら、ちょっとかわいそうかも。自分の人生はすべて決められていて、自分の意思では実は何も決められていない。本人はそのことに気づいていません。でも、見ている方からすると面白いのかな?トゥルーマンが子供のころから「トゥルーマン・ショー」というテレビ番組を見ていたら、彼が結婚したりするときは相当喜ぶでしょう。日本人が卓球の福原愛さんを見るときの感情でしょうか。そういう意味では、このテレビ番組は画期的ではあります。
3.彩るコミカル
全体的にコミカルな感じなので、とても気持ちよく見られる。下手すると、自分が作りものの世界にいたと知ったら、藤原竜也みたいに「なんでだあぁぁぁ」とか言って闇に陥りそう。でも、トゥルーマンは基本的に明るくこの状況に立ち向かっていきます。すると、自然と私たちもトゥルーマンを応援したくなってきます。
本作はコメディ映画ではないのですが、全体に嫌みのないユーモアがあふれているのも魅力。トゥルーマンの世界は本当にトゥルーマン中心で回っていて、他のものはすべてハリボテだったりする。だから、バスの運転手役の人は、本当はバスの運転ができなかったりする。「トゥルーマン・ショー」はテレビ番組なのでスポンサーがいるのですが、CMを入れたくないのでカメラに向かって突然商品紹介を始めたりする。実生活であったら、面白すぎるw
4.まとめ
ということで、『トゥルーマン・ショー』は笑えるし、面白いです。あんまりまじめな映画は見たくないけど、ばかばかしいコメディもちょっと嫌だなと思ったら、ぜひ見てみましょう。心地よい雰囲気に満ちた映画です。