映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

あの映画シリーズは今……

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 ハリウッドでは、近年シリーズ映画が多数公開されています。しかし、その中には明らかに続きがありそうなのに、続編が全然公開されない映画があります。今回はそんな続きが気になるシリーズ映画の今を調査!

 

 

1.ナルニア国物語

 皆さん、覚えていらっしゃるでしょうか。有名児童文学の映画化で、子供たちが魔法の国に入り込み、そこで繰り広げる壮大な冒険を描いたものです。『第1章:ライオンと魔女』(2005年)、『第2章:カスピアン王子の角笛』(2008年)、『第3章:アスラン王と魔法の島』(2010年)の3作が公開されました。私はちょうど小学生だったので、結構楽しんで見ていました。

 

 ナルニア国物語の原作は全部で7作あります。しかし、9年経った今になっても、続編は公開されていません。果たしてこれでシリーズの映画化は終了してしまったのでしょうか。

 

 調べてみたところ、2017年にジョー・ジョンストン監督が『第4章:銀の椅子』を撮ると言っており、公開は2019年ではないかとも噂されました。しかし、今年になっても公開される見込みはありません。どうやら撮影も始まっていないようなので、まだ当面は見ることができなさそうです。企画は一応あるようなので、第4章が作られる可能性もありますが、むしろ始めから再スタートみたいになる可能性の方が高いです。

 

 その可能性が高いのにはある理由があって、それは原作の事情によります。『ナルニア国物語』の主人公は、『ハリーポッター』などとは異なり、主人公が話によって変わります。第1章から第3章まではペペンシー兄弟の話、第4章は第3章にも出てくるユースチスの話、第5章はシャスタ少年の話、第6章はポリーの話です。これだけならば問題はないのですが、困るのは第7章。ここまでの主人公がほぼすべて出てきてしまいます。

 

 完全に映画化をするなら、第1作の子役たちを第7作にも子供のまま出演させなくてはいけません。しかし、映画の製作はどんなに急いでも、1年はかかります。7年も経ってしまえば、1作目の子役などもう大人。現に、第1作に出ていた子供たちはすでに立派な大人になってしまいました。シリーズを再スタートするにしても、相当な工夫をしなくては映画化は難しそうです。

 

Prince Caspian 

 

2.アメイジングスパイダーマン

 スパイダーマンならやってるいるじゃないかという方もいるかもしれません。しかし、私としては意外だったのは、『アメイジングスパイダーマン』シリーズを2作で終わらせてしまったこと。今のシリーズは『スパイダーマン:ホームカミング』(2017年)から始まる別のシリーズです。

 

 何が納得いかないかというと、『アメイジングスパイダーマン2』(2014年)のラストシーン。ご覧になった方は分かると思いますが、かなり衝撃的な展開で終わります。そしたら、普通はその解決を図るとかするために、続編を作るものです。『スターウォーズ エピソード5』(1950年)のラストもかなり衝撃的で、続編ではそこからの展開が描かれました。これが妥当。なのに、『アメイジングスパイダーマン』はスパイダーマンどん底に突き落として終わらせたのです。

 

 続編の計画はあったそうですが、作られませんでした。その原因は、監督とスタジオがをとの意見の相違があったことらしい。ありがちですね。新しいシリーズが始まってしまった以上、もう『アメイジングスパイダーマン3』が作られることがないので、残念です。

 

Swinging High, Swinging Low | The Amazing Spider-man 2 Review

 

3.ダーク・ユニバース

 おそらく、ほとんどの人が知らないであろうこのシリーズ。それもそのはず。『ザ・マミー 呪われた砂の王女』(2017年)という中途半端な作品1本だけを作って、現在は凍結中になっているからだ。1作しかないので、もはやシリーズでも何でもない。

 

 実はこれ、ユニバーサルによる壮大な計画の始まりだったのです。コンセプトは、往年のモンスター映画を現代のクリエイターたちで蘇らせること。『透明人間』(1933年)、『フランケンシュタインの花嫁』(1934年)などの名作をリメイクし、さらにはそれらをクロスオーバーさせようではないかという企画。さながら、アベンジャーズの怪物版です。

 

 これだけでも十分壮大な企画ですが、さらにすごいのはそのキャスト。『ザ・マミ
ー』の主役はトム・クルーズでした。今後の作品に出演が決まっていたのは、ジョニー・デップハビエル・バルデムなど。キャストに関してはアベンジャーズ以上になることも期待されました。

 

 しかし、『ザ・マミー』の公開後、ユニバーサルはこの計画の事実上撤回を表明。理由は、『ザ・マミー』の成績が悪すぎたから。評価は最悪、興行収入も何とか製作費を取り戻したレベル。こんなシリーズを続けるわけにはとてもいかないので、計画は中断。ただ、『フランケンシュタインの花嫁』のリメイクはあくまでも延期であり、中止ではないという。シリーズ再開の可能性もゼロではない。

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