映画の並木道

古今の映画や海外ドラマについて紹介しています。ネタバレは基本的になく、ネタバレするときは事前にその旨を記しています。

映画『キャビン』~怒涛のスリラー~

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 『キャビン』(2013年)というホラー映画があります。本作は、どこまでならネタバレになるのかが難しいです。もし、少しでもネタバレをされるのが嫌な場合は、この下は読まないで早く映画を見てください。あらすじも予告編も見ないことをおすすめします。多少なら良いという人は、予告編に含まれる情報の範囲で紹介します。ただし、本記事の第3章ではネタバレ解説をしているので、その部分だけはご鑑賞後にお読みください。

 

 

1.あらすじ

 大学生5人がバカンスで、山奥にある不気味な山荘にやってくる。いわくありげな怪しい物が置いてあったりして、ついには怪物が出てくる。しかし、実はこれらはすべてある組織が仕組んでいたものだった。彼らの目的とは?、そして5人組の運命は?!

 

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 監督・脚本がドリュー・ゴダード。主に脚本家として活躍していて、『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)『オデッセイ』(2015年)ドラマ『LOST』の脚本を担当しています。どれもストーリーが面白いですよね。本作もそんなストーリーの上手さが存分に発揮されています。もう一人の脚本家が、ジョス・ウェドンです。この人は『アベンジャーズ』シリーズの監督・脚本をしています。人を楽しませるストーリーに長けていますね。(本作にはアベンジャーズマイティ・ソーをやってるクリス・ヘムズワースも出てる)

 

2.実はライトなタッチ

 ここまで読んでくださった方には言いますが、実は本作はホラーではないんです。あくまでも、ホラーとしてありがちな設定を使った物語です。だから、そこまでひやひやしなくても大丈夫です。最初の方こそ、ホラーにありがちな暗い雰囲気が流れていますが、全体的には意外とライトな感触です。『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)みたいな雰囲気かな。

 

 ただ、注意点はかなりグロいということ。R15なので、そこのところはは覚悟してください。私は映画のノリでケロッと見てしまったのですが、後から見返すとかなりグロかったです。苦手な人は要注意を。

 

3.怒涛の終盤(ネタバレあり)

 この映画の面白いところは、主人公のディナたちが組織に乗り込むところですよね。ここから怒涛のように怪物が出てきて、次々と組織のメンバーを倒していってしまうのだから。自分はこのシーンを見てて、何かスカッとしてしまいました。普通に考えれば、とてつもなく残虐なシーンなんだけど、それが突き抜けているから面白くなってしまう。これだけの怪物が一斉に見られることなんて、ないですから。個々に怪物を描いていたら普通のホラー映画になってしまうので、もうまとめてやってしまえという考えが、バカらしくも好き。

 

 私の中で本作の評価アップのポイントは、ラスト。衝撃のラストじゃないですか。え、地球は終わっちゃうのという感じ。地球を救うこともできたのに、アルマゲドン的精神は出さずに滅亡させてしまう。こういうオチには憧れる。

 

 そして、本作はツッコミどころ満載。そこに不満をいだいていたら楽しめないですよ。ツッコんで楽しむというB級映画的な楽しみ方もできるのだから、おいしいと思った方が良い。誰もが思うであろう点が、なぜボタン1つで怪物が解放される仕掛けになっているのか。そもそも、管理棟側に怪物の入り口を作る必要があったのか。どうやって人を殺すのかよくわからない怪物もいる(頭に丸ノコが刺さっている人とか。まさか丸ノコが回るわけはあるまい)。皆さんも色々ツッコミどころを探してみましょう!

 

4.まとめ

 個人的には結構楽しめました。普段はあまりホラー映画は見ないですが、これは面白かった。前半でちょっと退屈だと思っても、ぜひ最後まで見てみてください。ここまで最初と最後で印象の変わる映画もないですから。とりあえず見てみることをおすすめします。ただしグロいところもあるので、ぜひ元気なときに見ましょう。