最近、2本立てで映画を見ることが多くなりました。勝手に2本続けて見ているだけなのですが。映画を調べていると、あれも見たいこれも見たいとなっちゃって決められない。じゃあ、時間もあるし両方見ちゃうかという思考です。今回紹介する『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』も、『アナと世界の終わり』の後に続けて見ました。
1.あらすじ
インドの貧困地域で育ったアジャは、母の死をきっかけにパリに行くことに。大好きなIKEAのタンスの中で寝ることにしたアジャだが、なんとそのタンスはアジャとともに搬出されてしまった。そんなこんなでアジャは世界を旅する羽目になる。
原作はフランス人作家のロマン・プエルトラスの『IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅』。サドゥーとは、ヒンドゥー教の修行者みたいな人。アジャがサドゥーのようだということであり、実際にはサドゥーではない。作者のロマン・プエルトラスのプロフィールがすごい!フランス、スペイン、イギリスを行ったり来たりして作曲家、客室乗務員、手品師、国境警察の警部補などになったという。今の時代とは言え、ここまで様々な職を経験する人は珍しい。
主人公のアジャを演じるダヌーシュは、インドでは有名らしい。他に『アーティスト』(2012年)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたベレニス・ベジョや、『キャプテン・フィリップス』(2013年)でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたバーカッド・アブディが出演している。
2.映像に惚れる
本作は、何といってもカラフル!序盤のインドのシーンからカラフルな街の風景が出てきて、わくわくさせられる。そして、あらすじでも書いたようにアジャは世界各国を回るのだが、ここで登場する街がどこも素敵。そもそもIKEAカラー自体がカラフルで、素敵なので全体的にその雰囲気が出ている。この映像を見ているだけでも、ハッピーになれます。
一番ハッピーな気分になれるのは、アジャがローマでダンスを踊るシーン。さすがボリウッド仕込みだけあって、ダヌーシュのダンスは上手い。その相手役のベレニス・ベジョも、インドのノリのダンスがしっかり出来ていて上手い。インド式のダンスって、下手にやるとグダグダになる(YouTubeなどの素人の動画を見れば分かる)。でも、本作のダンスはキレがあって素敵です。アジャという人物は普段はそれほどパッとするタイプではないけれど、ダンスのときだけはかっこいい。このシーンは何回でも見たいです。
#クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅✈
— 映画『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』公式 (@clotabi_movie) July 30, 2019
今週末より公開スタート💨
8/3(土)~
【兵庫】宝塚シネ・ピピア(@cinepipia1)
お見逃しなく👀✨👜#クロ旅 pic.twitter.com/VcCbgSXFFf
3.ワンダフルなストーリー(少しネタバレあり)
アジャは世界中を旅することになるのですが、その中で様々な人に出会います。これこそが旅の醍醐味ですね。中でも、印象的だったのがリビアのシーン。ここで、人々は自らの夢を語っていきます。実現したい夢はあるんだけど、お金や機会がないからできない。たぶん、ほとんどの人はそうですよね。アジャはそんな人々の話を一人ずつ聞いて、お金をあげます。中には適当に言ってお金をもらう人もいそうだが、基本的に善人ということなので、ここは胸アツ。
ただ、本作のストーリーがややお気楽すぎる感じは否めない。さすがにそんなに事が上手く進むわけはない。だが、全体のハッピーな雰囲気に免じて、この点をあまり追及しても仕方ないだろう。これは現実を思い知らせる話ではなく、こんな旅って良いよねっていう話なのだから。そして、観客はアジャとともに旅をした気分になれば良いのだ。実際にこんな旅はできないのだから、むしろ旅として楽しんでしまえばいい。
4.まとめ
こんな幸せな気分になれる映画も中々ないです。あんまり深く考えるとつまらなくなるので、気楽に楽しんでみてください。アジャとともに、世界旅行に出かけてみてはいかがでしょうか。