なんとなくすっきりしない天気が続く今日この頃。そんなときには、ミュージカルが最適!雨とミュージカルと言えば、『雨に唄えば』(1952年)という名作もありますからね。
1.あらすじ
イギリスの田舎町に暮らすアナは、退屈な日常から逃れたいと常に思っていた。幼馴染のジョンは密かにアナに恋心を抱いていながらも、その思いを伝えられないでいる。そんなある日、ゾンビが現れて町は混乱に陥る。
最初に言っておくと、本作は『アナと雪の女王』(2013年)とは何の関係もないです。原題がAnna and the Apocalypseでほぼ直訳なので、配給会社に罪はありません。そもそもアナ雪の原題がFrozenなのだから、こっちの方にも非がある。
本作の脚本を書いたライアン・マクヘンリーという人が面白い。ライアン・ゴズリングがシリアルを食べないという動画をyoutubeに上げています。かなりジワる(笑)
2.ノリノリの音楽
これまでも音楽が良い映画は紹介してきたけれど、これが一番かもしれない。ミュージカルの命は何といっても、音楽です。その点、本作はトップクラス。序盤のBreak Awayから始まり、Hollywood Ending、Human Voiceなど何度も聞きたくなる音楽ばかりです。
個人的なお気に入りは、アナがゾンビに気づかないで踊り続けるときに歌っているTurning My Life Around。このシーン自体が面白くてとても好きなんですが、歌がまた最高。自分も朝に聴いて、道で踊りだしたくなってしまいます。
3.キャスト
本作のキャストは、ほぼ全員日本では無名。たぶん、本国でもさして知名度は高くないでしょう。それだけに、話はすっと入ってくる。ちなみに、主役のエラ・ハントが良いですよね(実は、この映画を見に行こうと思ったのも半分は予告編で見たエラ・ハント見たさでした)。これからもっと活躍してほしいなあ。
そして、このキャストは全員歌がうまい。『マンマ・ミーア』(2008年)とは違うのです(この映画で歌が上手いのはアマンダ・サイフリッドだけのような気がする)。中でも、一番うまいのは意外にもアナのお父さん。それほどたくさん歌っているわけではないのですが、かなり印象に残ります。
このお父さんを演じているのは、マーク・ベントン。『シェイクスピア&ハサウェイの事件簿』というイギリスのテレビドラマで、主役の一人フランク・シェイクスピアを演じています。そして、注目したいのは、ステフ役のサラ・スワイヤー。若いながらも、本作ではダンスシーンの振り付けも行っていたようです。今後の活躍が期待されます。
4.ゾンビと青春
いつも通りの日常に飽き飽きにた若者が、外の世界にあこがれるというのは多くの青春映画で描かれています。ただ、本作で特徴的なのがその「外の世界」が自分たちの方にやってくる点にあります。日常の中に、突然ゾンビという非日常がやってくる。そんな状況に喜んでしまう者もいるのですが、やがて呑気にしているわけにはいかない状況になっていきます。
そして、後半の展開は結構ビター。能天気で明るい学園・ゾンビ・ミュージカル・コメディ(なんだこのジャンルは笑)かと思いきや、実は青春の苦い思い出だったりします。
5.まとめ
まとめると、とにかく音楽が最高。ただ、ゾンビ映画なので、ややグロイ描写もあります。それが特に問題ないという人なら、『アナと世界の終わり』は本当に楽しい作品です。気分が晴れないときに観たい一作です。
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