フランス映画もあんまり見ないし、恋愛映画もそんなに見ないのですが、『アメリ』(2001年)を見ました。心温まる良い映画でした。
1.あらすじ
孤独な環境で育ったアメリは、空想といたずらが好きになる。ある日偶然にも、住んでいるアパートから子供の宝物が詰まった箱を見つける。箱の持ち主を探しだして、箱を返したことで、アメリは人に喜んでもらうことに幸せを感じることに気づく。その後、アメリは小さないたずらを仕掛けて人々を幸せにするのを楽しむようになる。ところが、ある日アメリは町で見かけた男性に恋をする。
監督はジャン=ピエール・ジュネ。『天才スピヴェット』(2013年)なんかも監督しています。こちらも非常にハートウォーミングな物語で必見です。意外なのが、この人『エイリアン4』(1997年)も監督しているのです。『エイリアン』シリーズの監督って、リドリー・スコット、ジェームズ・キャメロン、デヴィット・フィンチャーとジャン=ピエール・ジュネですから、皆今ではすごく活躍している。当時はどの監督もまだあまりキャリアを積んでいなかったので、『エイリアン』シリーズは若手の登竜門だったのでしょうか。
2.かわいい映画
本作は、全体的にかわいい。まず、アメリ役のオドレイ・トトゥがかわいい。挙動には、なんとなく綾瀬はるからしさを感じた。おどぼけな感じとかが。
ただ、この映画がかわいいのは主人公だけじゃなくて、映像もそう。パリっていう街自体がきれいなんだけだ、それをかわいくみせてくれます。赤と緑を基調としたカラフルな雰囲気も素敵です。
あと、ナレーターもかわいい。普通のおじさんなんだけど、やさしくアメリや他の登場人物たちを見守っている感じがして好きです。フランス語だから何言っているかよくわからないんだけど、その分音として耳に入ってきて心地よい。英語や日本語ではない映画の楽しみ方として、セリフを音楽として楽しむっていうのも良いんじゃないかな。
3.コミュ障よ、勇気を持て
アメリって、言ってしまえばコミュ障なんです。つまり、人と話すのが苦手。この点には、とても共感できた。私も人と話すのが苦手です。でも、話したくないわけじゃない。少なからずそう思っている人もいるかもしれません。アメリもそう。だから、アメリが人と話す場面はさほど多くないです。
しかし、そんなアメリが恋をしてしまったのだから大変だ。この気持ちを何とかして相手に伝えないといけない。だからと言って直接言うのは恥ずかしすぎる。というわけで、アメリはお得意のいたずらを仕掛けていくことになります。果たしてうまくいくのか、そして最終的にこの恋が実るのかというのが本作の見どころになります。
自分だったらどうしようとか考えてしまいます。好きになってしまったは良いが、どうすれば良いのか。そのまま気持ちを伝えても良いものか。そもそもそんなことが自分にできるのか。経験少ないのがばればれですね(^-^;
4.愛らしい登場人物
本作には、アメリ以外にも愛すべき人物がたくさん出てきます。例えば、アメリのお父さん。妻を亡くしてから、常に悲しみに暮れています。そんなお父さんも、アメリのいたずらによりあることを決心します。また、骨が脆いため外出をせず、いつも絵を描いている老人もいます(この設定は、シャマラン監督の「ミスター・ガラス」(2019年)に似ていますね。何の関連もないですが)。
一番かわいいのは、八百屋さんで働くリュシアン。いつも店主に悪口にネタにされるので、ちょっとかわいそう。でも、骨の脆い老人のところに食糧を届けに行くときは、無邪気でかわいいのです。
5.まとめ
とまあ、とにかくかわいい映画なのです。もちろんそれだけじゃなくて、ストーリーもちゃんとある。特に、ほっこりしたい人におすすめ。また話すことが苦手で、コミュニケーションが苦手という人にも強くおすすめします。